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ここ最近読んだ新書の中でダントツの素晴しさ。友達口調のアイドル本でもなし、ポッと出の「なんとか成功者」の自慢話本でもない、またAKB48の暴露本でもない。
なかやんがAKB48で経験したことを愚直に現代社会の矛盾や理不尽さをただ否定するだけでなく、自己分析によって理解していることが分かる(AKBメンバーって実はかなり聡明なんだね)。自らの歩む道を確立していく過程を自己陶酔することなく客観性を持って進んでいることを分かりやすく書いている。
20歳のアイドルが書いたとはおもえないほど、客観性に満ちた構成力で平成以前の新書を髣髴させる文...章力に驚く。
さらに、いま流行のブログ、twitter,facebookに書かれているような劇場型口語体(熱だけで内容皆無)とは反する日本語本来の読み物である文語体で書かれていることに二度、驚く。
仲谷明香、前田敦子の中学の同級生であり、AKB48第3期メンバー。ただし、選抜経験なしのほとんど誰も知らないAKB48メンバー。そんな彼女が書き下ろした自叙伝的な新書。
最後の「苦中楽あり」という非選抜という位置や今までの苦労を楽しむことができるようになったくだりは、必読。