マイクロバスの集合場所とは別に、僕らは地元の駅前に集まった。

2、3分遅れた僕にメンバーは“いつもと”変わらぬツッコミをいれた。



雰囲気は良い。



バスでの往路も同じ事が言えた。

アップも。



僕はメンバーの1人であると同時に、総括していかなければならない(と自負する)。

客観的に見て、何も変わらない、いつもの僕らの“雰囲気”だった。





…ダイを除いて。



大会前に高熱、最終確認の為の練習にも参加できなかった彼は、普段とは全くもって正反対の様子。



往路やアップでそれを見せまいとする彼を見て、少し辛かった。





アップ前のミーティングで「勝ちに行く」と伝えた。

ある意味、内容は二の次、三の次…今回は勝たなければならなかった。






予選1試合目。

ユウと話し合った先発メンバーにした。



圧倒的に支配するも、全体的に身体が重く、動きも足りない。

さっちんの先制点のみで前半を折り返す。



後半。
早々にワクがPKをもらう。
1点差の状況で、追加点は勝利をさらに近づける。



ユウに任せようと思う前に、「ワク、蹴れ」と言っていた。



賭け。



追加点云々より、ワクが決めれば、チーム、そして、ワク自身が“ノレる”…



そんなことをピッチ内で冷静に考えていた。

(この冷静さは後にも先にももうない)





ボールはネットを揺らし、ワクはガッツポーズをした。

3点目は、ダイだった。


いかにも“らしい”ゴールだったが、喜ぶことなく、自陣へ戻ってきた。
その違和感に、メンバーも駆け寄ることはなかった。





結局3-0で勝利し、初戦を危なげなく回避した。

同時に、2試合目の結果次第では、早々に予選通過の可能性が出てきたのである。