『人材不足』という言葉は、福祉の業界で慢性的に広がっている。


我が施設でも、人材不足(人手不足)は慢性的な問題であるが故に、解決の糸口も見出せていないのであろう。(と、新人の私は感じている)


4月に入社してから、ワーカー3人、NS1人が退職した。





どうしても現場の状況は表舞台に出てこない。

また、世間も積極的に知ろうとはしていないし、知る術も多くは無い。


イメージしていただく為に、例を上げる。




○○施設は2Fに25人、3Fに25人の高齢者が生活されている。


ある日の3Fフロア。



7時~9時の2時間は、夜勤明けの職員1人と早出出勤の職員1人の計2人。

25人の利用者様に対し、2人でサービスを提供するのである。


この状況で利用者一人ひとりに対し、質の高いサービスを提供できるか否かはここでは別として、お一人の言葉に耳を傾ける時間がどうしても取れない。

傾聴している途中でNSコールが鳴るとやむを得ずそこを離れなければならない状況ができる、といったような感じである。


そこで出てしまうのが

「ちょっと待って下さいね」

の、フレーズ。




自分のこととして考えていただくと、この言葉がいかに“良くはない”言葉であるかが分かる。



真剣に話をしている途中に、相手が「ちょっと待ってや」と言って去ってしまう。

1分、2分、3分・・・・・・・・・・・・・・・




戻った時に、再び話す気になるでしょうか。



現場に立つまでは、コレはタブーだと考えていた。

が、

実際、そのタブーをおかしている自分がいる。


どうしても、時間に追われる状況もあるし、

NSコールは無視できない。


だから言い方一つで大きく違う。


「NSコールが鳴ってますので、少しお待ちください」など、

離れる理由・離れる時間・再び戻る約束・・・これが相手の『納得』へとつながる。




現実と理想のギャップの中で苦しむのです。






話が逸れてしまってます。。。


こんな現場であるのだが、「人材不足」を嘆いていても、解決の糸口は何も見つからない。


今ある“資源(人材)”で“効率良く”サービスを提供するかが鍵ではないかと思う。

ここでいう“効率良く”という言葉は、決して“手抜き”という意味ではない・・・一応解説・・・。


2人なら2人なりのサービス、3人なら、4人なら、、、

職員が多いに越したことはないが、やはり多すぎると人件費の問題も絡んでくるので非常に難しいのである。





では、この『人材不足』の解決にはどうすればいいのか。


よく言われるのが、

「福祉の仕事はキツイわりに給与が低い」ということである。

それは、否定できない。

それは、福祉事業が、非常に公益性(公共性)の高いビジネスであり、介護保険の範囲内でのビジネスだからである。

少し前のニチイ学館、今のコムスン問題はココ辺りが絡んでくる。


この「福祉の仕事はキツイわりに給与が低い」というフレーズが福祉の卵達に悪影響を与えているのが人材不足の最も大きな原因の一つではないかと考える、、、


一度聞かされた悪いイメージは、なかなか消し去れない。


施設就職離れが発生するのである。





このイメージは、間違いでもないし、正解でもないのだが、否定もできない。


僕は、コレはコレでいいのかもしれないと思う。


いずれはこのイメージも払拭される日がくると信じているからである。

現に厚生労働省も動いている。


と言うか、願う。





このイメージを持っている卵達を、どのようにしてコチラへ引き込むか。


ターニングポイントは『現場実習』である。


福祉系大学生、専門学校生にとって現場実習は必須である。


この実習先でいかに、“楽しさ”“喜び”“向上心”など、プラスイメージを与えられるかが、非常に重要になってくる。

不幸なことに、ココで悪いイメージをさらに悪化させてしまうと、呼び戻すことは難しい・・・

と、元学生は感じる。




殺伐としているが、要は、現場が人材不足を理由にサービスの質を落としていてはならない。

今ある資源でやるしかないのである。


勿論、現場から人材不足の声を上げることも必要であるし、最もリアリティな声だから。


ただ、これから福祉の現場へ足を踏み入れようとしている卵達を遠ざけるような現場であってはならないのである。












どんな動物も、卵(子)を産む前に、まずはしっかりとした『巣』をつくる。