今日という日【5月9日】 | 今日は何の日?【トリビアン】で雑学王

今日という日【5月9日】

■坂田山心中事件

1932年5月9日。

坂田山心中事件」は、1932年(昭和7年)5月に神奈川県中郡大磯町の坂田山で起きた心中事件及び心中女性死体盗難事件。

1932年5月9日午前10時、地元の青年が岩崎家所有の松林の中で若い男女の心中死体を発見。男性は慶應義塾大学の制服姿で、女性は錦紗の和服姿の美人であった。前日の5月8日夜に現場に到着、昇汞水を飲んで服毒自殺を図ったものと思われた。
高貴な身なりであったため、神奈川県警察部は直ちに捜査を開始し、まもなく身元が判明。男性は東京府出身の慶應義塾大学の学生で、某華族の親族であった。女性は静岡県出身で、2年前まで頌栄高等女学校(現:頌栄女子学院中学校・高等学校)に通学していた。
二人はキリスト教の祈祷会で知り合い、交際を始めた。男性の両親は交際に賛成していたが、女性の両親は反対し、別の縁談を進めようとしていた。そのため二人は家から出て、「永遠の愛」を誓って心中を決行したものと思われた。
二人の死体は、遺族が引き取りに来るまで、町内の寺に仮埋葬されることになった。

翌5月9日朝、寺の職員が線香をあげようとしたところ、女性を葬った土饅頭が低くなっているのを発見、掘り起こしたところ、女性の死体が消えていることが判明。辺りには女性が身に付けていた衣服が散乱していた。これにより、単なる心中事件から一転して「女性の死体が持ち去られる」猟奇事件へと発展した。
警察は変質者による犯行と断定し、大磯町の消防組も協力して一斉捜索が行われた。翌5月11日朝、墓地から300m離れた海岸の船小屋の砂地から発見された。後に町の火葬場職員が犯人として逮捕された。

警察は女性の死体の検死を行い、「死体はなんら傷つけられていなかった」と発表。この発表により、新聞各紙は二人がプラトニック・ラブを貫いて心中したことを盛んに報じた。特に東京日日新聞は「純潔の香高く 天国に結ぶ恋」の見出しを掲載した。
この「天国に結ぶ恋」は坂田山心中を象徴する名文句となり、後に同名の映画や歌が製作されることになった。
また、この映画や歌の影響で坂田山を心中の場とする者が後を絶たず、1935年(昭和10年)までの自殺者(未遂も含め)は約200人にものぼった。