今日という日【9月13日】
■ゴイアニア被曝事故
1987年9月13日。
ブラジル、ゴイアニア市の廃病院に放置されていた「放射線療法用」の医療機器から「放射線源格納容器」が盗難により持ち出され、その後廃品回収業者などの人手を通しているうちに格納容器が解体され、「ガンマ線源」の「セシウム137」が露出。光る特性に興味を持った住人が接触した結果、合計250人が被曝し、その内4人が「放射線障害」で死亡した。
「放射線療法」とは放射線の医学的利用法で、癌治療の一環として、放射線が持つ電離作用で悪性腫瘍を制御する目的で照射する。
日本国では放射線科において、放射線を用いた癌治療と画像診断を両者とも扱う。欧米で放射線科と言った場合は、放射線を使って画像診断を行う放射線診断領科を指す。治療を目的とする場合、放射線治療科もしくは放射線腫瘍科として、世界的には別科となっている。しかし、日本では一部の先進的施設を除いて放射線診断科と分科していないのが通常であり、一般医師への教育、専門家の育成および診療体制水準に大きな遅れをとっている。
「セシウム137」は放射性同位体であり、質量数が137のものを指す。ウラン235などの核分裂によって生成する。現在環境中に存在している「セシウム137」などの多くは、1940年代~1960年代の核実験や核事故で放出された。1960年代前半に日本人は、1日に1ベクレル以上を摂取していたと推定されている。
「セシウム137」は、ほぼ全て人為的に生成された核種である。非人為的には、極めて低い確率で起こる天然ウランの自発核分裂で痕跡量が生成する程度である。他の大半の放射性同位体は安定同位体から生成され得るのに対し、「セシウム137」はウランから生成される。そのため、核実験が始まる以前には自然環境中に殆ど存在していなかった。
「放射線障害」とは、生物体が電離放射線に被曝することにより発生する障害の総称。電離放射線の生体への障害作用は、電離作用によって、生体細胞内のデオキシリボ酸(DNA)を傷害することによって引き起こされる。DNAは遺伝子の媒体であるため、DNA鎖の損傷は、遺伝情報の損傷と同義。DNA鎖が損傷したまま細胞が生き残り、損傷が固定化された場合、細胞の活動が異常化し、がんや白血病を引き起こす場合がある。日常生活で自然に浴びる程度の少量の被曝でも発生する可能性がある。また、多量の放射線に被曝した場合、特定の器官において多数の細胞がプログラム細胞死を引き起こし、急性の身体障害を引き起こす。これらの影響が蓄積・拡大して身体機能を低下させるようになったものが「放射線障害」である。