今日という日【6月12日】 | 今日は何の日?【トリビアン】で雑学王

今日という日【6月12日】

■日本初の原子力船進水


1969年6月12日。


石川島播磨重工業東京第2工場にて日本初の原子力船むつ」の進水式が行われた。進水とは船体のできあがった新造の艦船を、陸上の造船台から水面に浮かべる事をいう。船内装備などはそのあとに行う。


軍艦を別にすれば原子炉を動力源とする船を建造した国は少なく、旧ソ連の砕氷船「レーニン号」、アメリカの貸客船「サバンナ号」、当時の西ドイツ鉱石運搬船「オットー・ハーン号」に続く世界でも4番目の成果であった。

1963年に建造計画が決まり、1968年に着工。1972年に核燃料が装荷され1974年に出力上昇試験が太平洋上で開始された。試験開始早々の低出力で放射線漏れが発生し、帰港を余儀なくされるも、地元むつ市の市民は放射線漏れを起こした本船の帰港を拒否したため漂白した。長崎県佐世保市、むつ市大湊港での母校化反対運動により、帰る場所を失ったまま、長い話し合いの末に新母校としてむつ市関根浜港が決まった。

1990年にむつ市の関根浜港岸壁で低出力運転の試験を行い、その後4度の航海中に出力上昇試験と公試を行った結果、1991年2月に船舶と原子炉について合格証を得た。

その後、1992年1月に全ての航海を終了した。現在は、ディーゼル機関に積み替えられた船体が独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の「みらい」として運航されているほか、取り去られた原子炉室がむつ市のむつ科学技術館で展示されている。


当時海運業界から原子力が注目され、原子力船運航員養成のため、神戸商船大学に原子動力学科が開設された。原子力船は巨大かつ長期間運航させてたくさん稼ぎ続けなければ採算が取れないという経済性の観点から西側諸国の原子力船計画は全て中止され、現在も建造を続けているのはロシアのみとなっている。ロシアでは北極海を航行する砕氷船を中心に10隻(2007年現在)の原子力船が就航している。


原子力船「むつ」は建造当時の大型タンカーが「むつ」の船腹に全速力で衝突しても、タンカーの船首が原子炉にまで到達しないほどの強度設計がなされていた。また、万一「むつ」が沈没した場合は深海の圧力で原子炉格納容器が圧壊することがないよう、海水の圧力で早期に格納容器に海水を導入するよう設計されていた。