ISDN DDR(Dial on Demand Routing:ダイアルオンデマンドルーティング)の説明と設定
■CiscoルータでのISDN
wg_ro_a#conf t
wg_ro_a(config)#isdn switch-type ntt
wg_ro_a(config)#int bri0
wg_ro_a(config-if)#encap ppp
wg_ro_a(config-if)#isdn spid1 086506610100 8650661
wg_ro_a(config-if)#isdn spid2 086506620100 8650662
ISDN BRIインターフェースごとに、isdn spid1とisdn spid2というインターフェース
サブコマンドを使って、SPIDを指定する必要がある。
■DDRでの構成方法
wg_ro_a(config)#ip route 10.0.1.0 255.255.255.0 172.16.1.1
wg_ro_a(config)#dialer-list 1 protocol ip permit
wg_ro_a(config)#int bri0
wg_ro_a(config-if)#dialer-group 1
wg_ro_a(config-if)#dialer map ip 172.16.1.1 5353xxxx
①スタティックルーティングを構成する
DDRを使用する場合は、スタティックルーティングを使用するのが鉄則である。
wg_ro_a(config)#ip route 10.0.1.0 255.255.255.0 172.16.1.1
②Interestingパケットを指定する
次に、どのパケットが来たら発呼するのかを指定する。
Interestingパケットを指定するには、まずダイヤラーリストを作成する。
ダイヤラーリストを作成するには、グローバルコンフィグモードから
「dialer-list」コマンドを使用する。以下のコマンドは、IPパケットを
Interestingパケットに指定する、ダイヤラーリスト番号1番のダイヤラーリストを
作成する場合の例。
wg_ro_a(config)#dialer-list 1 protocol ip permit
次に、ダイヤラーリストをインターフェイスに適用する。コマンドは、
インターフェイスコンフィグモードから「dialer-group」を利用する。
以下のコマンドは、BRIインターフェイス0に、ダイヤラーリスト番号1番の
ダイヤラーリストを適用する場合の例である。
wg_ro_a(config)#int bri0
wg_ro_a(config-if)#dialer-group 1
③ダイヤラ情報の構成
最後に、ネクストホップのIPアドレスと電話番号を指定し、ダイヤラ情報を構成する。
コマンドは、インターフェイスコンフィグモードから「dialer map」である。以下の
コマンドは、ネクストホップが172.16.1.1だった場合、5353-:xxxxにダイヤルするよう
に構成する例である。
wg_ro_a(config-if)#dialer map ip 172.16.1.1 5353xxxx
■DDRの動作
①ルータにあるIPパケットがやってきてルーティングを行う。
ルーティングした結果、出力インタフェースが決まり、そのインタフェースにDDRの設定が
されている場合、そのパケットがインタレスティングトラフィックであるかどうかを判断する。
②インタレスティングトラフィックであれば、設定されている接続先のダイアル情報から、
ルータは電話をかけてISDN回線を接続してパケットを送信する。
もしも、インタレスティングトラフィックでない場合は、2つのパターンがある。回線が接続
されていないときは、ダイアルすることなくパケットを廃棄する。しかし、すでに回線が接続
されている状態であれば、インタレスティングトラフィックでなくても転送することができる。
③また、ISDNの接続はアイドルタイマーというタイマーによって管理する。アイドルタイマーが
タイムアウトすると回線を切断する。インタレスティングトラフィックがISDN回線を通るたびに、
アイドルタイマーはリセットされるのでインタレスティングトラフィックがある限りは、
回線は接続されたまま。しかし、インタレスティングトラフィックでないパケットがISDN回線を通って
も、アイドルタイマーのリセットは行われません。なお、アイドルタイマーのデフォルト値は120秒。