調和のとれた空間は、
視対象としての建物や構築物の形状や
高さ・色彩に統一感があることだけではなく、
視対象と視点場の距離感や配置に工夫が見られる
地区のことです。

視対象とは、簡単に言うと見る対象物
視点場とは、見ている場所のことです。

具体的なイメージとして、
建物の高さや壁面の位置を揃え
街並みに連続感を持たせたり、
建物の配置、ボリューム、デザイン、
建築材料、色彩等を揃え
街並みに統一感を持たせたりした場所のことです。

同時に、建物、歩道、装飾物、記念碑、彫刻等に
関連性・一体感を持たせたり、
建物や壁等にあわせた石畳・タイルなどを
路面に敷き詰め、空間に統一感を持たせるなどの
工夫が見られたりします。

敷地利用は周囲との調和を考えたり、
建物建設にあたっても建築物の個別デザインより
地域デザインを優先するなどの配慮が行われて
いたりもします。

特徴としては、歴史的街並み、現代的街並みともに
目に見える形で、調和のとれた空間を整備することは
比較的行われています。

しかし、調和がとれている反面、
単調な空間に陥いりやすい点に注意が必要です。

このため、市民が共通して統一する場所と、
個人の個性を生かす場所を各々明確にするなど、
釣り合いやまとまりを意識しつつ、
個性的な一面を持つ空間を整備することが
必要と考えらます。