海の神様を祀っている金刀比羅宮ですが、こちらには朝鮮戦争時に亡くなった旧日本海軍掃海隊員の御霊も祀られています。
 朝鮮戦争時、アメリカ率いる国連軍は朝鮮半島周辺海域の機雷に頭を悩ませていました。
 そこで、国連軍は地理的に近く、高い練度を誇っていた、元日本海軍軍人で編成された、日本の掃海隊(当時は海保)に目をつけます。
 しかし、当時の日本は終戦後の講和条約締結前であり、新憲法にも抵触することから大っぴらに参戦する事ができない状態でした。
 それでも、国連軍による再三の出動要請にとうとう応じた日本政府は秘密裏に掃海部隊を編成し、掃海作業を行い、国連軍に大いに貢献しましたが、残念なことに死傷者を出してしまいました。
 本来、戦争などで国の為に犠牲になった方々は靖国神社に祀られる筈ですが、このことは秘匿とされていたために、長い間、瀬戸内海での掃海作業中による事故とされていました。
 そのため、現在でも靖国神社ではなく、こちらの金刀比羅宮にてその御霊を祀っています。
戦時中の動乱期ではあったものの、「戦後の日本は既に憲法第9条(戦争放棄)に抵触していること」 そして、「本来国の英霊として靖国神社に祀られるはずの御霊を秘匿しその犠牲を冒涜したこと」を忘れてはいけません。