・覇権国とは...

 世界の歴史の中には、どの時代にも覇権国というものが存在します。

 15・16世紀に新大陸を制したスペイン、ポルトガル。17・18世紀にアジア貿易を成功させたオランダ。19世紀に植民地争奪戦を制したイギリス。

 これらの国々は軍事力、経済力において他国を圧倒し、その時代において、世界に多大な影響力を持った国々でした。

そんな覇権国の中でも、ぶっちぎりで歴代最強と謳われる国が現在、20・21世紀の覇者であるアメリカです。

 アメリカは自国でほぼ全ての天然資源を確保でき、現状、大陸側に脅威となりうる敵が居なく、植民地ではなく、同盟という形で各国に不信感を与えることなく味方にしたその発想力。

 そして、その強力な工業力をもって最強の海軍と空軍力を得たことで、世界の制海権と制空権を制し、覇権国となりました。

 これは、歴代覇権国どころか、人類史が作った国の中でもぶっちぎりの1位とまで言われています。

 ここまで、説明するとアメリカには弱点などないように感じます。

 しかし、それは意外なところに潜んでいます。


・アメリカの弱点

 その弱点とは、民主主義国家であり、シビリアンコントロールが絶対であるということです。

 シビリアンコントロールが完全に効いていると言うことは、軍隊も国民の世論により、戦争を続けるかが決まります。

 どんなに勝てる戦争でも、国民が厭戦ムードになると戦争中でもやめてしまうのです。

その例が、アメリカが唯一負けた戦争である、ベトナム戦争です。

 この戦争は米ソの代理戦争でしたが、泥沼化し、長期戦となってしまいました。

 そして、この戦争は世界で初めてのリアルタイム中継された戦争です。

 そのため、アメリカ国民は初めて戦争の悲惨な現状を家庭のテレビで目撃し、厭戦ムードが加速。良いか悪いかは別にして、勝敗だけ言えば、おそらく続けていれば、いずれ勝てたであろう戦争でしたが、国民の反戦感情を変えることは出来ず、事実上の敗北に喫してしまいました。


・アメリカに勝つには

 これを踏まえると、アメリカに勝ちたければ、どんな形であれ、国民に厭戦ムードを持たせればいいということになります。

 だからこそ、太平洋戦争時、日本は先に真珠湾攻撃を行いました。

 真珠湾攻撃の目的は真珠湾に停泊するアメリカの太平洋艦隊を無力化し、日本海軍には勝てないと思わせることが目的でしたか、日本大使館のミスにより、宣戦布告が遅れ、布告前に攻撃してしまったために不意打ちの形になり、逆にアメリカ国民の怒りを買い、開戦一色となってしまったのです。


・日本の立ち位置

 さて、それを踏まえて現在の日本の置かれている国際状況を考えると非常に危機的である事が分かります。

 現在、日本は周りを軍事大国に囲まれています。

 それはロシア、中国です。

 特に中国は現在急ピッチで海軍を強化しており、海軍の主力である正規空母の所有数は現状3隻ですが、2050年頃には、さらに2隻が加わり5隻の正規空母を保有するとも言われています。

 それでも、世界最強の海軍はアメリカであり、 その戦力は正規空母12隻、軽空母12隻の計24隻であり、2位である中国との力の差は歴然です。

 しかし、それはあくまでも全世界に散らばっているアメリカ海軍の総軍であった場合。

 その中で日本に展開するアメリカ海軍は最強と謳われる第7艦隊ですが、それでも正規に所属している空母は3隻。

 中国がもし、正規空母3隻+予備2隻で台湾や尖閣諸島に侵攻した場合、確かに質や練度は違いますが、数だけ見れば第7艦隊を上回ります。

 先程、「質は違う」と話しましたが、中国空母は建造する度に性能が向上しているため、アジアで他に空母を所有国しているインド、タイ、日本(仮)とは比べ物にならず、対抗出来るのはアメリカくらいでしょう。

 また、その時点でロシアも北海道に侵攻してくればアメリカ国民は間違いなく戦局不利と思い、今回のウクライナ侵攻のように核兵器を保有し、使用をちらすかせる両国と戦ってくれる保証はありません。

(※あくまでこれは自分の勝手な憶測ですが国防とは最悪の事態や単独で戦う場合を常に想定しないと意味がありません。)

 また、日本は島国であるため、陸続きのウクライナと違い、他国からの支援は容易ではありません。

 しかも、大陸側に味方はほぼ居ない上、アメリカやオーストラリアは遠いため、有事の際に十分な支援を受けられるのかは疑問が残ります。

 確かに、日本には現状日米安保理条約があり、日本は核の代わりに米軍が駐留しています。

 しかし、核に代われる程の脅威ではありませんし、そもそも、条約内にはキチンとアメリカは撤退してもいいと書いています。そして前述のアメリカの弱点もあります。

 その証拠に今回のロシアによるウクライナ侵攻を許した要因にウクライナの核戦力放棄も大きいと言われています。

 日本は非核三原則を掲げているため、あまり報道されませんが、ウクライナはかつて世界でも屈指の核保有国でした。

 おそらくそのまま、保有していれば100%とは言えませんが、ロシアも侵攻を必ず躊躇ったはずです。

 日本には核もないどころか、憲法で禁じられているため、作ろうにもまず、憲法を変えないと作れません。

 日本は確かに世界で唯一の被爆国であり、核を世界から無くすということも十分賛同できますが、核を無くす前に日本が無くなっていては意味がありません。

 それに世界で唯一の被爆国だからこそ、その恐ろしさや痛みをどこの国より知っており、2度と同じ過ちを繰り返さないために核を保有するというのも道理にかなった見方ではないでしょうか?

この非核三原則を掲げた時代と現在の国際状況は違います。

 確かにこれを掲げた時は、まだ戦後間もなく、日本が再び軍国主義になりたくないのは、国民もそうでした。

 だからこそ、そののちに非核三原則に反対した三島由紀夫という人物を気違いと呼び、反対意見に耳を傾けませんでしたが、今、ようやく三島由紀夫に先見の目があり、評価され話題になるべきだと自分は思っています。

 そして、日本は民主主義国家のため、仮に憲法改正を行うにも必ず反対意見が出て時間がかかります。

 かたや現在のロシアや中国は独裁体制のため、トップの意志だけで、すぐに法律を変えられます。

 それが、独裁国家の強みなのです。

 日本が議論している間にもむこうはどんどん強くなり、あらゆる面で遅れをとっていってしまうのです。

コロナ、オリンピック、戦争。

 止まらぬ時間の中で、日々忙しく働く現代人ですが、少しでも、多くの方がこの問題に目を背けず、話し合っていける世の中であってほしいです。


長々と書いてしまいましたが、ここまで読んで頂いた方に感謝します。

他にも日米安保理が締結した理由等も書いていきたいと思いますので、少しでも興味がある方は見てみて下さい。