専門度:3(5段階で!)

 

瞳孔間距離『PD:ピューピローディスタンス』とは、左右の瞳と瞳の間の距離のことで、メガネを作る際にとても大切な情報です。

 

基本的に常用メガネ(普通のメガネ)の中心をこれに合わせて作ります。

 

これはずーっと先、宇宙の彼方を見ているような感じで左右の視線がまっすぐ向いている時の数値をとります。

 

難しい事を言えば実は目の中心は瞳孔の中心ではない場合が多いです。

つまり、視線は瞳孔の中心を通っていないという事、まぁ人の目ですから多少のズレがあるもんだよ・・・という事です。

 

だから、完璧正確な視線の位置を測定する事は非常に困難なので、丸い形状の角膜(黒目の表面)が一番前に出ているところを調べる事が多いです。

方法としては角膜反射といって、ライトを見てもらうと角膜にそのライトが反射します。

その位置を中心として代用すれば、極めて視線に近い位置を知る事ができます。

 

なので右の角膜反射と左の角膜反射との距離を測定して「PD」とする事がおおいです。

 

そして、この「PD」を元にメガネのレンズの中心位置、近視のレンズの場合は最も薄い部分、遠視のレンズの場合は最も厚い部分が中心(プリズム入りは除きます)ですので、それを合わせます。

この時に設定した「メガネのレンズの中心間距離」を「OCD:オプティカルセンターディスタンス」とか「CD」と言います。

 

これが狂うとどうなるかといえば、不要なプリズムつまり、視線を動かす刺激が目に負担をかけてしまう事があり、度数はあっていてもなんだか合っていないメガネになってしまうわけです。

 

さて、このPDを測定するにあたってはオートレフラクトメーター、あの検査前にアゴを乗っけて測る機械でも可能です。

それを実際にデータとして使うメガネ屋さんもあるかもしれませんが、これは大変危険です。

右目を測って左目を測るという順で測定するわけですが、機械の移動距離を表示しているにすぎません。

つまり、顔が動いたらアテにならないという事です。これで得られたデータは全く使えません。

 

定規で測る方法もあります。これはとても良いと思いますが、測る対象を先ほどの角膜反射である事が理想ですので、ペンライトなどを使って相手の右目を自分の左目で、相手の左目を自分の右目で測り、視線が平行になるよう工夫します。

 

そして「PDメーター」という物があります。

これは顔に付けて使用するものです。

中を覗くと光が見えて、それを注視してもらいながら反対側から測る人がPDを測定します。

近いところを見ているようですが、中に大きなレンズが入っていて、とても遠くを見ているのと同じ状態を擬似的に作り出す事ができます。

また、顔に付けたままで、顔の中心からの左右別々の値を簡単に測定する事ができます。

使いこなせれば、これが一番良いのではないかと思いますし私もこれを基本に定規を使った方法と合わせて確認しています。

 

正確なデータは正確な測定と正確な出来上がりの基礎になります。