なんかの論文みたいですね!
訳すと「寄り目ができないと、へんな見方の癖がついちゃうんじゃないの?」という感じ。
近くを見る時には両眼がそれに向かって寄り目をします。
でないとダブって見えていまいますからね。
でも、寄り目が苦手な人とそうでない人では「寄り目の質」が違います。
同じ寄り目ができていたとしても、苦手な人はかなり頑張っているし、得意な人は楽チンにできちゃう。
この寄り目が苦手なひと、特にある距離から必要な寄り目ができなくなってしまう事を「輻輳不全」といいます。
人によっては「1日中パソコンとにらめっこ」なんて仕事をしていますが、目はリラックスすることなく「ピント合わせ=調節」と「寄り目=輻輳」をし続けるという、目にとっては空気椅子を1日強要するような事を強要されているのです。
これは、人の目の構造からして異常な状態と言わざるをえません。
じゃあ、輻輳不全の人がそれをどうやって克服しているのか・・・
いろいろなケースがありますが、その一つ「固視ズレの誘発=中心で見ない癖」を使って対処している事があるのです。
目には中心があります。難しく言えば「網膜の黄斑部中心窩」で物を見ます。
左右の目がキチンと見たいものを目の中心で捉えれば、物は一つに見えます。
しかし、ピッタリ同じでないといけないシビアなものであれば、わずかなズレでダブってみえたり、真ん中は一つだけどその周りはダブってみえる筈です。
でも、そうならないのは網膜にある程度のズレをカバーする領域があるからです。
それを「パーヌム融像圏」といいます。
さて大きな外斜位があって、それを自力でカバーする事が困難なとき、その「パーヌム融像圏」を使って「完全に網膜の真ん中で見てはいないが、何となくダブらないでみえる」ところで輻輳(寄り目)をやめてしまう場合があります。
(そういう目はダブりを感じなくても立体感がすごく悪いです)
これが「固視ズレ」です。
この段階では、片目ずつで見るようにすれば、それぞれちゃんと中心で見る事ができます。問題が出るのは両眼で見る時です。
でも、あまりにも長時間その状態でいたらどうなるか・・・
ズレた位置が網膜の中心の代わりになってしまう事があります。
これが「固視ズレの固定化」です。
当然ズレた方の目は真ん中でないところで見ていますから、視力が落ちます。
要するに、寄り目の負担をそんな風にしてなんとかしようとしちゃうわけです。
基本的に遠くを見た時に斜位がないとしても、輻輳不全は近くを見た時に起きる大きな外斜位だと考えれられます。
そして、それが長時間に及ぶとすれば・・・
固視ズレの固定化を即す条件は整ってしまうわけです。
寄り目ができない時に、見ているものは本当の中心「黄斑部中心窩」より耳側に像が映る事になります。
そこが偽りの「網膜の中心」として機能し始めたらどうなるか・・・
斜位がない人は遠くを見た時に何にも力を使わずに視線が真っ直ぐ前を向きます。
しかし過度な近業が「耳側への固視ズレの固定化」を起こしていたら、せっかく真っすぐ見る事ができるのに、さらに目を外に開いて「偽りの中心」に視線を合わせてしまう事が起きるのです。
「目を隠すと隠した方の目が内側を向く」のが「内斜位」。
だから「内斜位」は隠すのをやめると内側から外側に向かって目が動きます。
さっきの固視ズレの固定化した目はどうでしょう?
片目(固視ズレを起こした目)を隠すと目は真っ直ぐを向いています。
でも隠すのをやめたら「偽りの中心に視線を合わせるために」外側に向かって目が動きます。
・・・
これって「内斜位」と同じ動き方だと気がついたでしょうか?
ここまでの状態になった目を普通に検査したら、「斜位じゃないのに内斜位」と判断したり「外斜位なのに内斜位」と判断したりしてしまう危険があるのです。
じゃあ、このような目に必要なケアはなにか?
「固視ズレの原因になっている輻輳不全」に対してアプローチしなければなりません。
つまり、中心固視を即し輻輳力を強化するビジョントレーニング。
あるいはベースインプリズムを使って、自然に中心固視ができるようにする近業専用メガネ。
いずれか、または両方が必要です。
つまり、目を鍛えるか目に椅子を貸してあげるのです。
両眼視機能検査とは「プリズム量」を測定するものではありません。
両眼の中心を上手く使い、立体視を頂点とする「両眼視機能」に問題がないかを調べ、問題があるのならその原因究明と対策を講じるものです。
さて、過度な近業が目に悪いってよく耳にしますけど、だいたい片目の断面図でピント合わせがどーのこーの・・・とか・・・
光の波長がどーのこーの・・・とか・・・
なにもいいません・・・
ようするに、プラオプへかもーん!
(まだオープンしてないじゃん!・・・2月予定です・・・)