さて、随分と隙間があいた当ブログですが。

 

先回、記事を書いていた時に続きを考えていたはずなのですが

どっかに行ってしまったのでうまく繋がるでしょうか?

 

さて「斜位」の続きです。

斜位の概要は先回の記事で書いたわけですが、もうちょっと掘り下げてみたいと思います。

 

目には中心があります。

目というよりは野の中心というか、感覚的に目線の中心・・・つまり視線ということでしょうか?

 

何かを見る時には見ようとする物体に視線を向けるわけです。

そして通常、視線は網膜の中心「黄斑部中心窩」に対応しているわけです。

 

 

その「黄斑部中心窩」は最も鋭敏な視力が出る部分です。

網膜は全体が同じ視力ではありません。中心が最も視力が良く、そこから離れるに従い視力は急激に落ちてゆきます。

 

例えばこの記事を読んでいるあなた!この赤い文字をじっと見て視線を動かさずに上下左右の文章が読めますか?

視野の端に行くほど何が書いてあるか読めないでしょう。

 

つまり、しっかりと物を見るには視線をしっかりと合わせる事が必要なのです。

 

ちょっと話はズレますが、なんで人(人に限らず)は目が二つあるのでしょうか?

それは広い視野の確保と立体的な視覚を得る事ができるからです。

 

食べられる動物、うさぎとかは目が側方にあり360度近い広い視野で身を守ります。

 

対して肉食の捕食動物、猫なんか特に両眼が前を向いています。

それによって両眼の視線を獲物に向けることができます。

そして、視線以外の物体、例えば獲物よりも前にある草や獲物よりも遠くにある木は網膜の中心以外で見えていることになり、左右の目にそれぞれ映るその位置関係のズレにより非常に精密な立体感を得る事ができるのです。

  • ウサギは中心窩で見ている

  • 木は中心窩より鼻側に映る=奥に知覚する

  • 花は中心窩より耳側に映る=手前に知覚する

 

その立体感を頼りに猫はニャー!と飛びかかるわけです。

 

さて、我々人間も同様に非常に鋭敏な立体感を得る能力を有しています。

今では獲物を追いかけるようなことはしないかもしれませんが、その感覚は私たちが生活する上でなくてはならない感覚です。

 

運転や操縦にスポーツ、特に球技などでは正確な距離感は欠かせません。

スポーツの得意、不得意は実はそういった能力の差である場合は少なくありません。

 

そして、その立体感を得るには視線が左右とも「黄斑部中心窩」に乗っていることで最高に鋭敏になります。

 

左右の視線を「黄斑部中心窩」に乗せる・・・・

それは簡単なことなのでしょうか?

 

それを実現するためには左右の目が同じ方を向くという事が出来ていなければなりません。

 

視線をそもそも合わせる事ができない「斜視」(斜位ではないよ)があったらどうなるのでしょうか?

片目でしか物を見ていないとすれば、両眼の協調作用で生まれる精密な立体感は生まれません。

注視している部分以外のボケや、物の重なり具合、物体の形状的変化などの手がかりで奥行きを判断するしかありません。

もっと感覚的な「精密な立体感」は得られないのです。

 

では今話題にしている「斜位」があったらどうなのでしょうか?

無意識に視線ズレを補ってきちんと視線を合わせられるのが「斜位」ですので「精密な立体感」を得る事が出来そうです。

なのですが・・・・

「斜位」が大きかった場合、または視線ズレの補い方の質が悪い場合、なんとなく一つに見えるというところで視線のズレを補うのをやめてしまって、実は「黄斑部中心窩」で見ていない事があるのです。

 

これを「固視ズレ」と言います。

この固視ズレの程度によっては立体的に見る感覚「立体視」に問題がある場合があります。

 

 

別に物がダブって見える訳ではないけど、3D映像でひどく疲れるとか気持ち悪くなるとかいった場合、なんか立体的に見えない・・・とかいった場合「固視ズレ」が起きている可能性があるかもしれません。

 

さらにそれが矯正されず放置さえると固視ズレが固定化されてしまい、本来視線の中心であるべき黄斑部中心窩以外のところが視線の中心にとって変わり問題がより深いものになってしまう場合があります。

 

つまり、視覚を最大限に発揮するには視力だけではなく、視線合わせも整っていなければならない訳です。

 

では、それをどうやって整えるのでしょうか?

 

・・・が、次のテーマという事で。