発売元 柴田書店 価格3000円+税

イタリア料理という言葉は厳密に言うと地方料理を集約した総称です。それは日本料理と言っても地方によって色々あるようにイタリアでも地方独特の食文化が育っています。四季がある点も影響していると思いますし、日本と共通するところは多いのではないでしょうか。

この本は、まずイタリア20州の気候・風土と食文化の解説があり、また合わせて伝統料理と特産物の一覧が載っています。そして各州の料理を有名なシェフが紹介していく内容です。レシピも載っていますが素人にはかなり難しい内容です。しかしながらとてもハイレベルな料理もきれいな写真とともに掲載され、興味を持った料理についてはレシピを見て調べられるというのは、研究熱心な方には満足いく内容だと思います。

僕はこの本の20州の紹介がとても興味深くて何度も読み返してしまいます。地形や言語についても触れられていますし、特産物の紹介も果物やチーズ、畜肉加工品、パン、飲み物、菓子と分類されているので、その土地の特色が読み取れます。専門書ということもあり金額的には高い本の部類に入ると思いますが、1冊持っていると長く使え、かなり重宝するものになると思います。

料理を作らない方でも、イタリア旅行に行く前に自分が行く各州の特色を『食文化』から調べてみると、町中で買い物をする時も食事をする時も楽しめるのではないでしょうか。やはり素晴らしいホテルや観光地に行っただけではなく、その街での美味しい食事で感動することは多いと思います。その土地ごとの名産があるので、それを知らずして街を知ることは出来ないと思います。日本旅行で言えば北海道で沖縄のゴーヤチャンプルを食べるようなことはしないと思います。それと同じことがイタリアでも言えます。


食の専門書ではありますが活用方法によっては、ガイドブックとは違った奥深いイタリアを知ることが出来ると思います。興味のある方は1度ご覧になってみてください。