LA CIMBALI/M32 DOSATRON

エスプレッソを作るときのコーヒー豆の選び方と、パワーが弱い家庭用のマシーンで使う豆の挽き方についてお話ししたいと思います。

まずコーヒー豆の産地は好みでかまいませんが焙煎の具合は注意が必要です。
最近は、あまり見かけませんが以前はエスプレッソと言えばフレンチローストを通り越したエスプレッソローストなる、真っ黒くて表面に豆の油分がでてテカテカした光っている豆を使用していました。しかしこれは大きな間違いです。今、ほとんどのお店でこのような豆は使用していません。一般的に言われるフルシティローストあたりが美味しいのではないでしょうか。理由としては、美味しさの重要なポイントである豆の油分がしっかりと豆の中に閉じ込められているからです。また油は酸化していきますので、これが表面ににじみ出ているということは酸化も進みやすいと思われます。豆は焼けば焼く程、油分が出てくる物です。ですからフルシティローストあたりがしっかりと油分を閉じ込めたままなので、良いと思います。

今日もお客様に聞かれましたが、アラビカ種とロブスタ種のブレンドのメリットは、お互いに足りないところを補い合うことです。アラビカ種だけだと香りがとても良く上品な味になりますが酸味が目立ってしまうことがあり、あっさりした印象になります。また日本では見たことがありませんがロブスタ種だけだと、力強さはでますが、苦みが強く香りに乏しいというデメリットがあります。ということで、家庭用ならぜひブレンドした豆をチョイスすることをお勧めします。蒸気圧がそこまで無い家庭用で色の出かたや、深い味わいを出すにはアラビカ種だけでは苦戦すると思います。もちろんIlly社はアラビカ種100%を使っているところが多いのですが、落とす技術はなかなか難しいと思います。業務用のマシーンで、しっかり細かく挽いた豆を抽出できるなら持ち味を引き出すことは可能でしょう。実際に僕はIlly社の味は美味しいと思います。しかし難しい豆だと思っています。繊細なのです。

その点、ロブスタが入っていると色や味のバランスが取れているので扱いやすい豆になると思います。配合や焼き具合が違うので、一概にどこが良いと言えませんが自分の好みの豆を探してみると良いと思います。また産地は同じでも、農園によってもちろん味が変わるので産地別の傾向は近くても、味としては変わります。

豆選びのポイント
①アラビカ種とロブスタ種のブレンドを購入する。
②産地や農園は大切な選ぶポイントになるが、大切なのは自分が気に入って楽しく、美味しいと思って使えること。


どこのお店で買っていただいてもかまいませんが、焼いてから1週間たったもの位が落ち着いていいのではないでしょうか。それも好みなので焼いてすぐ飲むほうが美味しいという方もいますし、これも好みになります。ぜひ自分が使ってみて、味や色が出るおいしい豆を探してみてください。『高い=美味しい豆』ではなくバランスと好みが重要だということを憶えておいてほしいと思います。

明日は挽き方編です。
→明日へ続く