
Kihachi/Sagami-ono/Gelato(fragola)
という訳で、前回のエスプレッソを飲むコツは
『出てきたら、砂糖たっぷりいれて、サッと飲む』でした。
しかしながら、なぜこんなにも苦い飲み物をイタリア人は飲めるようになるのでしょう?
以前いたお店に、ローマ出身で表参道でイタリア語を教えているお客様がいました。
子供が小さくいながらも、いつも一緒にお店にきては子供にお菓子を買って、自分はエスプレッソを飲んでいきます。せっかくなので、以前から疑問に思っていたことを聞いてみるとこう答えました。
『エスプレッソに砂糖をたっぷり入れて飲むと、底には砂糖が溜まるでしょ。それを俺は小さい頃父親にねだっていたんだよ』
なるほど!!と思いました。そうすれば苦い飲み物ではあるけれど、カラメル状になった甘い砂糖ならエスプレッソの風味も感じられるし、甘いし子供でも口に出来ると。
あくまでもこれは1つの例だとは思いますが、妙に納得してしまいました。
エスプレッソが根付いたイタリアには風土や人の気質が大きく影響していることは言うまでもありません。
しかしながら国際観光振興機(JNTO)の調べによると2003年のイタリア渡航者数は611,536人となっており、ユーロ高はあるものの近年は渡航者数は増加していると思われます。少なくともイタリアの文化に触れている方は日本でも増えています。こうした中で、日本では終身雇用制の崩壊や職業形態の多様化を受け、生活パターンも様々な形が生まれています。お店では平日の昼間に子供と一緒に来店されるお父様もいらっしゃいます。忙しい中でも、ちょっとした息抜きや自分の時間を確保する生活も増えているように思います。そんな時にエスプレッソが生活に密着した飲み物になると、幸せなひとときが過ごせるのではないでしょうか。
日本も良いところはたくさんありますが、イタリアのように地方色の強さから生まれる郷土愛や地域で子供を育てるなど見習うべきこともたくさんあるように思います。原点回帰というのは大げさかもしれませんが、地元に根付いた地元の食材を使い、出来れば地元で焙煎したコーヒー豆を使って、地元の方を呼べるお店を作ることはとても重要だと思います。バールスタイルをとるがために弊害になっている可能性は否めないことも、ここ数年現場に立って感じることではあります。しかしながら、それを発信していくことで少しでも他では感じられない満足感や選択肢が増えていくことが出来れば言うことはありません。
話がそれてしまいましたが、イタリアから発信されたエスプレッソがどのように日本では根付くのかは、まだまだこれからです。エスプレッソのバリエーションのカプチーノやカフェラッテもまたしかりです。
文化から伝えることはとても難しいことですが、生活に密着した食から発信していくことで少しでも楽しく感じてもらえればと思います。
まだまだ、少ないスタイルのお店ですが、近くにあるかたはぜひ利用してみてください。
明日はエスプレッソの作り方を書きたいと思います。実は結構大変なんです・・
→明日へ続く