Food court/seattle/Bourbon Chicken
ミラノに到着すると、スペインの気候よりも山に近いため朝晩は肌寒く感じました。
そしてすっかりスペインになじんでしまったために言葉の切り替えがうまくいきません。
日本語 スペイン語 イタリア語
ありがとう 『グラシアス』 『グラッツェ』
~お願いします 『ポル ファボール』 『ペル ファボーレ』
Barをバルと読むかバールと読むのかなど、両国の言葉はとても近いのです。
ですからついつい、グラシアスと言ってしまったりしていました。
ミラノは中央駅から少し離れた場所に泊まっていました。
家族経営なのはスペインと同じなのですが主人が全身タトゥだらけで迫力がありながらも、部屋の壁がピンク色でとてもキュートな感じになっている面白い宿でした。
ミラノの地図を見て気をつけたことは、市街を歩き回るときにロータリーとロータリーを結ぶ放射状の大通りの道を間違えないようにすることでした。道を1本間違えると先に行くにしたがってどんどん広がっていくので、見当違いのとんでもないところに着きます。
と言っているそばから道を間違えてしまったのです。後戻りすればいいものの、横に歩けば着くだろうと楽観的に考え歩き出すと、現在地がわからなくなってしまいました。土地勘が無いことはもちろん、旧市街は石畳の細い道が多いこともあり、まったくどこにいるかわからなくなってしまいました。地図を持って近くの人に聞いても言葉が通じず、仕方なくひと休みすることにしました。
現在地がわからなくてもバールというのは目につくもので、スペインバルの要領で利用してみました。
たまたまですが、初めてのバールはとても上品なお店でした。中にはキオスクのように新聞やお菓子、ペットポトルのジュースが置いてある場所があり、そこにおばちゃんが1人、それとは別にカフェのカウンターがありその中に2人いたりと、スペインのバルとは少し様子が違います。バルは食べ物を出すのが中心のシンプルな作りの店が多かったのですが、ミラノで初めて入ったお店は立派なカウンターがあるお店でした。
歩き疲れて喉が渇いていたので、キオスクでコーラを買いました。すると瓶のコーラで丸ごと渡されたのですが栓抜きが見当たりません。渡してくれたおばちゃんにジェスチャーで栓を抜いて欲しいと伝えると、カフェのカウンターに持っていけば良いと指を差してくれました。初めてのバール利用は栓を抜いてもらうことという、なんとも味気ないものでした。
喉の渇きも癒され、次はどうやって現在地を知るかです。
バールで聞けば良かったのですが、聞くタイミングを栓抜きに取られて聞けずじまいに。
すると目の前に、なんと宅配ピザ屋があるではないですか。日本でも見慣れた原付バイクが数台並んでいます。イタリアにもあるんだなぁと感心しながら、出前をしているくらいだから土地勘もあるだろうと思い聞いてみることにしました。ちょうど宅配を終えヘルメットを脱ごうとしている女の子がいたので、地図を見せイタリア語の本を開きながら聞くと『どこに行きたいの?』は聞き取れず『駅?』がかろうじて理解出来ました。駅までいけば道がわかるのでうなずくと『ちょっと待ってて』みたいなことを言ってお店の奥へと消えてしまいました。
『ん??』
と思っていたら、自分のスクーターの鍵を持ってきて
『送るから後ろに乗って!』
というのです。驚きながらもバイクに乗せてもらい、旧市街の石畳の上を走り抜けました。周りからは『ピュー!!ピュー!!』と口笛が飛び交います。気がつけばミラノ中央駅です。鼻にピアスをした可愛い女の子に助けられ、おかげさまでそれ以降は道に迷うことも無くミラノの街を歩きまくったのでした。
→明日へ続く