当社の施術院の名前とも関係しますが、「design」するという感覚は特に矯正院であれば重要です。
その人の見た目の形というのはもちろん「骨」が基本となりその形をつくるのですが、骨自体に歪む要素はなく、骨にくっついている筋肉に引っ張られることによりその骨組み(形)が変わることになります。(※厳密には骨自体にも歪みを有するので骨自体が原因となる場合もあります。)つまりその人の持つ形は「筋肉の緊張バランス」によって成り立っているといえます。
ということは、その緊張バランスを変えることでその人の形を自在に変えることができる(designできる)ということになります。(もちろんその人の今の形は色々な事情があっての上ですので簡単に変えられるという意味ではありません)
そうすると、筋肉とは「硬いところをただ緩める」というものではなくて、「緊張バランスを変えて調整するもの」という感覚で行うことが重要となります。
実際、特に横から見た形、姿勢は縦方向に存在する筋肉調整で比較的変えやすいところといえます。
一般的な症状で言えば、猫背や骨盤の前傾などの傾斜、頭部の前方変位、膝の屈曲硬縮などでしょうか。
身体を伸展させる仕組みである、足部からの力の伝導を利用しながら筋肉の調整をして形を変える(designする)のです。
このように整体という療法で、人の形を自在に変えることができるということですが、一つ注意点としてはdesignするとは「こちらが一方的に相手に行うこと」とは違います。
建築でもインテリアでも、お客さんの要望があって初めてdesignができるわけで、こちらが好きなもの、形を押し付けるものであってはならないというところです。
もちろん家のデザインを例にしても、それが形だけかっこよくても地震ですぐ倒れてしまうようなものであったら、いくらお客さんの要望であっても安全の基準を満たしたものを提案していく必要はあると思います。
designとは見た目(形)だけでなく中身(質)も同時に優れている必要があるからです。しかし基本的にはお客さんの要望に応えるものであり、こちらから一方的に押し付けるものではないと思います。
こういったことを書いていると、以前聞いた話である、「今の職人と昔の職人の傾向の違い」という話しを思い出します。
その話の中では、昔よくいた職人は、お客さんの要望になんでも応えられたというのです。つまり「できない」と言わない職人が多かったそうで、普通はできないことをできるようにするのが職人だという考えをもった人達が多かったという話です。
それがミケランジェロくらいの時代から職人から芸術家という風に変わり、お客さんの要望になんでも応えるというよりは自分の個性のアピールに変わってきたというのです。
その根拠としては作品に自分の名前を残すようになったらしいのです。つまり自分の名を残すための創作、designということですね。
おもしろい話だと思います。
もちろん昔よくいたといわれる職人が素晴らしくて今の時代の芸術家と呼ばれるような職人がダメということではまったくありません。
価値観の違いや時代背景もあるからです。
ただ、一個人としては、はるか昔にたくさん存在したといわれる、自分自身の名誉や栄光にはまったく興味がなく、「不可能はない」という考え方のもと、どんな要望にも応えられる職人がかっこいいと思い、そうありたいと思うのです(^^)