地上人生と、その前とその後の霊界における人生つまり霊界人生と、くっきりはっきり水も漏らさぬように区切られているのではありません。人間は通常意識のもとでは地上世界のことしか感知できないので地上人生をなにか特別なもののように考えてしまいがちですが、本当はそんな特別なものではなく霊的人生の一部であり単に体を伴って生きている期間ということなのです。

 人間は霊界においてはもちろん、地上にいる間も霊的原理つまり霊の進化成長をめざして生きていく存在です。体や地上のことにばかり心を奪われてしまったら、霊の成長という一番大事なところに意識が向かなくなってしまいます。それが心のガンであり、それがもとで体までガンになってしまうことがあるのです。そのこと自体は必ずしも悪いことではないのですが、自らすすんでなりたくはないでしょう。

 真の健康を取り戻すためにはまず霊的原理に生きなおすことが必要です。

「(心霊治療は)腫瘍を取り除くことが目的ではありません。本来の目的は魂の琴線に触れることです。その意味で霊のガン患者もいるわけです。そういう人は利己性その他の悪性の腫瘍がしつこく残っていて、それが取り除かれるまでは真の霊的進歩は望めません。地上生活で最も大切なのは霊に関わることです。霊が主導権を握るようになるまでは調和も健康も幸福も生き甲斐も得られません。」(「シルバー・バーチの霊訓9」7章)