「肉体が滅びるのは物質で出来ているからであり、霊が撤退するからです。老いも若きも地上の人間すべてが学ばねばならない大切な教訓は、霊こそ全生命活動の基盤だということです。地上生活におけるより大きな安らぎ、より一層の宿願成就のカギを握るのは、その霊的原理をいかに応用するかです。すなわち慈悲、慈愛、寛容心、協調的精神、奉仕的精神といった霊的資質を少しでも多く発揮することです。」

 人間はその身体や身体から出る欲望の塊なのではなく、霊であり、魂の欲望を抱き続ける存在です。地上にいる数十年のあいだに”かたをつける”ようには出来ていません。永遠の霊的人生を思い、魂の声を聞いてその望みをいつか適える(その暁には新たな望みをさらに抱いているでしょう)。そのような生き方をするように出来ているのです。

 たった一度の人生とか、死ぬ前に一度はとか、若いうちが花とか、あの人と比べて自分はとか、せっかくの連休なのにどこに行く予定もないとか、あえて自分を追いつめるのではなく、そのかわりもっと魂に自己表現させてあげられれば、そのほうがよっぽど有意義です。

(「シルバー・バーチの霊訓8」6章)