食べ歩きで僕の胃袋は栄養にあふれている。

たまにはハートにも栄養を与えなくっちゃ。

そこでハノイの伝統水上人形劇へ。




11世紀、タイビン省の農民たちが秋の収穫を祝って演じたのが始まり。

13世紀に入って宮廷の娯楽として洗練されて定着したとか。

ユネスコの無形文化遺産にも指定されている。


常打ち小屋が「タンロン水上人形劇場」。

1956年、建国の父ホーチミン主席が子どものために建てたのが始まり。

ホアンキエム湖東、僕のホテルからは徒歩10数分と便利がいい。




公演は1日6~7回。

オール指定席。僕は早目に到着して、ほぼ中央の席を押さえた。

入場料はファーストシート10万ドン(600円)、セカンドシートは6万ドン(360円)。


公演開始10分前に入場して僕はがっくり。

一つ前の席に巨漢の欧米人。ステージが半分くらいしか見えないのだ。

やむなく端っこの空席に移動。ここはセカンドシートだから4万ドンも損したことになる。





それでもマナーの悪い団体さんとバッティングするよりはましだろう。

昼の公演は個人客が多いけど、団体さんが多い夜の公演は要注意なのだ。

酒が入っている彼らは大声でしゃべりまくり、上演中も平気で席を立って移動するとか。


ベトナム伝統家屋を模した舞台。その前面に水を張ったステージ。

左手にはベトナム伝統楽器の奏者がスタンバイ。

荘厳なライブ演奏とともに幕開け。



上演時間は1時間余り。

バラエティーに富んだ14の出し物で構成されている。
素朴な人形たち、コミカルで愛くるしい動き。


水や火、煙を使った多彩な演出、人形とも思えない迫力だ。
笑いあり、涙あり、感動あり、はらはらドキドキあり。

ベトナム語は分からなくても、ほっこり気分。





公演が終わると、人形遣いがバックステージから登場。

総勢10人ほど。彼らは腰まで水につかっている。

若い女性たち、冷え性にならないのか。


熟練の人形遣い達が紡ぎ出す、華麗なステージ。

スタンディングオベーションの観客席から大きな拍手が送られた。

残念ながらアンコールはなかった。