ベオグラードの街を散策している僕。

旅友達に絵葉書を出すため郵便局を探すが、運悪く見つからない。

僕は名案を思い付いた。



「この辺に郵便局はないの?」

ガイドのカリリュードさんに思い切って聞いてみた。

「僕が連れて行ってあげようか」。うれしい返事が返ってきた。


僕が「若いね」とヨイショしたお礼のつもりかも。

僕たちはツアーメンバーから一時離団、裏通りの郵便局へ急ぐ。

郵便局は混雑していたが、カリリュードさんのガイドがあり、すぐに切手が買えた。



エアメール切手代は240ディナール(264円)。

窓口のおねえさん、自ら切手も貼ってくれた。僕一人だったら数十分はかかっただろう。

僕はカリリュードさんと握手し「thank you」を繰り返す。


僕たちはトロトロ歩いているツアーメンバーにすぐに追いついた。

レストランはスカダルリア地区。緩やかな石畳の坂道、おしゃれなカフェが軒を連ねる。

文化人が集い、ベオグラードのモンマルトルと呼ばれているとか。




 

しかし、どう贔屓目に見てもモンマルトルは言い過ぎだろう。

ヨーロッパの辺境、モンマルトルに憧れる気持ちは分からないでもない。

広島でも六本木ヒルズにかこつけたビルがあるくらいだから。


「ズナーク・ピタニャ」は1823年創業、ベオグラード最古のレストラン。

サラダ、豚肉のソテー(やっぱりソテー)、アップルパイ(たぶん4度目だ)と平凡なコース。

ドリンクはビール。なぜか中ジョッキも大ジョッキも240ディナール(264円)。







もちろん大ジョッキだ。

もうバス移動はない。安心してビールが飲める。

僕たちは歩行者天国まで戻り、1時間30分のフリータイム。


僕はいつものメンバー3人とフレスコ画美術館へ。

中世セルビア王国時代に描かれたフレスコ画の複製が一堂に展示されている。

その中には世界遺産に登録されている4点も含まれる。






入館料は200ディナール(220円)。

明るい照明の下、間近に見るフレスコ画は、複製とは言え迫力がある。

写真が自由に撮れるのもうれしい。


僕たちは10分前に集合場所に戻る。

ツアーメンバーも三々五々集まって来たが、一人足りない。

いつものカメラおじさんだ。




添乗員とカリリュードさんが探索に出かけた。

10数分後、おじさんは添乗員と戻ってきた。時間を気にせず、写真を撮っていたとか。

このおじさん、ベオグラード国際空港でも最後っ屁の騒動を巻き起こした。