辛さレベル★★★=激辛、★★=中辛★=小辛☆=辛さゼロ

あ~あ、チェンマイの夜も2日だけになっちゃった。

淋しいなあ。よし、晩飯は海鮮レストランでど~んと行こう。

そこでナイトバザールそばの「Anusaran Market(阿怒商市場)」へ。


僕のホテルから徒歩5分。

太陽が西の空に姿を隠し、星たちが煌めきを見せ始める午後7時ごろオープン。

海鮮レストランが軒を連ね、多彩な民芸品を売る小さな店もひしめく。



店頭にショーケースがあり、多彩な魚介が山盛りされている。

ロブスター、カニ、海老、アワビ、サザエ、ハマグリをはじめ、魚もいろいろ。

ほとんど海の幸で、ぴんぴん跳ねている。


海から800~900㎞も離れているチェンマイ。

新鮮な魚介は航空便で届くのだろうか。

輸送手段の進化に僕は驚く。



客は食べたい魚介を指でさし、料理名を指定するか、

料理法(プラー=揚げる、パット=炒める、プラー=蒸す)を伝えればOK.

面倒くさそうだけど、慣れれば間違いようがない。

僕はロブスターの前で考え込んでしまった。

「時価」なのだ(1g単位)。とりあえず量り乗せてもらって、値段だけ聞くこともできる。

しかし高いからと言って断るのは日本男児の名折れになりそう。



中国語は喋る人たちは時価のロブスターやカニ、アワビをどんどんお買い上げ。

旅先ではケチになる僕、100g70バーツ(224円)と表示されている海老をチョイス。

ぴんぴん跳ねまわる海老。養殖のバナメイではなさそう。

「クン・パット・ナンマンホーイ(海老のオイスターソース炒め)」と料理法を告げる。

厨房で鍋を振るうおにいさん、大きくうなずく。たぶん通じたのだろう。

「マイ サイ パックチー(パクチーを入れないで)」と念を押す。



パクチーはタイ名物の香菜。

においがきつく、欧米人も日本人も苦手だろう。

もちろん偏食の僕、においを嗅いだだけで食欲は霧散する。

マンゴジュース(35バーツ=112円)を飲みながら料理を待つ。

氷がたっぷり入っているが、そんな事を気にしていたらアジアの旅は出来ない。

オイスターソースの香りが食欲を刺激する一皿。



僕は海老1匹、丸ごと口にほおりこむ。

そして、もっとも大事な事を言い忘れていたことに気づいた。

それが「マイ ペッ」。マイが否定語、ペッ=辛い。

この料理、半端ない辛さだったのだ。

「パクチー入れないでね」と「辛くしないでね」は僕のキーターム。

マンゴージュースを飲みながら、海老だけは平らげる。冷汗と脂汗の混じる辛い晩飯だった。