楽しい時間は、なぜ早く過ぎてゆくのか。
ホーチミンシティー滞在、気が付くと残り3日間になった。
旅友Fちゃんは4日前に帰国、いまは一人で気ままに街歩きを楽しんでいる。
マイホテルで朝食を食べながら、フロント係のキウちゃんと世間話。
「どこか面白いスポットはないかなあ」。「サイゴン動・植物公園はどうかしら?」。
笑顔を絶やさないキウちゃん。いつも彼女には癒される。
サイゴン動・植物公園はマイホテルから約3キロ、
旧大統領官邸から北東へ伸びるレユアン通り(Le Duan St.)突き当たりにある。
タクシーで約10分、3万ドン(150円)くらいかな。
ケチな僕、それでも徒歩で行くことにした。
レユアン通りは南ベトナム崩壊の1975年4月30日、北ベトナム軍戦車で埋まった。
ベトナムの歴史に思いをはせながら、僕は黙々と歩き続ける。
「ヘ~、ジャパニーズ。何処へ行くの?」。
バイクタクシーのドライバー(おっちゃん)から、何度も声がかかる。
なぜ僕が日本人と分かるのだろうか。もちろん無視。炎天下、ひたすら歩く
約30分、ぶっ倒れることもなく、公園に到着した。
入園料は8000ドン(40円)。ベトナム人と同じ値段なのがうれしい。
アジアでは二重価格で観光客からぼったくる国も多い(タイがそうだ)。
フランス統治時代の1864年にオープンした「サイゴン動・植物公園」。
世界で最も古い動物園の一つで、かつては世界有数の規模を誇っていた。
しかしベトナム戦争で破壊され、動物の種類も激減したとか。
広大な敷地、ポツンポツンと動物舎が点在。
観光客も少なく、地元の人々はベンチで昼寝をしたり、スマフォをいじったり。
僕は楽しさより、うら哀しさを感じてしまう。
それでもゾウやキリンもいるし、フラミンゴやシマウマもいる。
しかし35度を超える猛暑、動物たちもぐったり。
もちろん僕もぐったり。
それでも動物舎のひょうきんなモニュメントには1本とられた。
木に登るキリン、蝶ネクタイをしたシマウマ、球乗りする小象ダンボ…。
植物園には輪くぐりするイルカや妙になまめかしい人魚も。
某国のようなキャラクターのパクリじゃなく、
個性とアイデアで魅せようとする姿勢は評価してあげたい。
僕は満足・不満と相半ばする気持ちで、隣接する歴史博物館へ。
先史時代から現代まで、考古学資料でたどる博物館だ。
小さな劇場もあり、ベトナム伝統芸能「水上人形劇」も見学できるはずだ。
しかし僕はベトナムが社会主義国であることを改めて実感させられる事態に出逢った。
★気まぐれホーチミン・クイズ第14回
これはサイゴン動・植物公園の入園ゲートです。
通路の側に金属の棒が立っています(1メートル30センチくらい)。
この棒にはどんな役割があるのでしょうか。