雪のノイシュバンシュタイン城に後ろ髪をひかれつつ、
ロマンティック街道を一気に北上、ローテンブルグをめざす。
その前に世界遺産ヴィース教会に寄り道しなくっちゃ。

のどかな雪景色の中にポツンと建つヴィース教会。
ヨーロッパで最も美しいロココ様式の教会の一つと称えられている。
祭壇に安置されているのが「鞭打たれる姿のキリスト像」だ。

▼雪に埋もれ、ひっそりたたずむヴィース教会
T上司ランチ漫遊

このキリスト像には、奇跡の伝説が語り継がれている。
だれに振り向かれることもなく、近郊の修道院に放置されていたキリスト像
1738年、1人の農夫がキリストが涙を流しているのを発見。

この奇跡に驚いた農夫たち、
キリスト像を安置するためヴィース教会を建てたとか。
奇跡のキリスト像だけじゃなく、華麗な内陣も観ておかなくっちゃ。

雪を踏みしめ、教会の入口へ。そこには頑丈な鍵が…。
ああ無情! 観光客の少ない冬場とは言え、そりゃあないぜ。
「『歩き方』にも書いてなかったぞ」。ぼやいても後の祭り。

▼ドイツ人ドライバーさんと並んで…(以下自粛)
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不幸はそれだけに終わらない。
なんと公衆トイレまで閉鎖されていたのだ。
冷え込んでいるせいか、そろそろ限界に近づいている。

ドイツ人ドライバーさん、悪魔のささやき。
「ここで一緒に用を足そう」と、トイレの陰を指さす。
セクハラ、いや背に腹は代えられない。

偉丈夫なドイツ人と並んで雪空トイレだ(村人のみなさん、ゴメンね)。
雪原を眺める振りをしながら、ちらちら覗き見。負けました。
まさに針小棒大(意味が違うかな)。素直に白旗です。

▼城壁内にあり、観光に便利な四つ星ホテル
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ローテンブルグに到着したのは午後8時過ぎ。
小高い丘の上、中世の面影を残す城砦(じょうさい)都市だ。
今夜のホテルは城壁内の四つ星ホテル。

何処へ行くにも徒歩圏内の便利なホテル。
オンシーズンには、ほどんど予約が取れないが、
オフシーズンの冬場はガラガラ、手軽な料金で泊まれる。

まあ、なにかいいこともなくっちゃね。
そこで少しばかり夜のお散歩としゃれこんだ。
ホテルから旧市街の中心、マルクト広場へ向かう。

▼ライトアップされた市庁舎。物好きな観光客はいない
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氷点下の深夜、外に繰り出すもの好きな観光客はいない。
幸い雪はやんだが、夜の風はヤワな肌をナイフのように突き刺す。
風邪をひいてもつまらない。写真を撮ってホテルへUターン。

ベッドに横になり、「地球の歩き方」をペラペラ。
すぐに睡魔が襲ってきた。旅も終盤戦、そろそろ疲れが貯まるころだ。
ほどよく暖房が効いた部屋、深い眠りに落ちた。

午前9時、モーニングコールで起床。
なんとなく体が重い。いつものように朝食バイキング。
大好きなパンも1個しか食べられなかった。

▼バイキングの朝食。かなり食欲も落ちてきた

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▼プレーンライン。右側の道を抜けると急な坂道になった
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▼二重橋越しに見上げる上がるローテンブルグの眺望
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前日までの雪空と変わって、抜けるような青空が広がっている。
こんな日も足取りだけじゃなく、心も軽やかになる。
旧市街巡り、たぶん半日かければ十分だろう。

まずホテルから南へ。
プレーンラインという広場を抜け、急斜面を一気に下る。
谷底から見上げる上がるローテンブルグの眺望が素晴らしい。

しかし♪行きは良い良い 帰りは怖い~。
あえぎあえぎ急斜面を登る。行きは数分だったが、帰りは10数分も。
いまさら日ごろの運動不足を後悔しても、時すでに遅し。

▼青空をバックに、美しい姿を見せる市庁舎
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▼16世紀に建立された聖ヤコブ教会も逃せない
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▼レーダー門に通じるマルクス塔
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▼ローテンブルグの東の守りレーダー門

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マルクト広場に面した市庁舎(今も現役)、
マルクス門、レーダー門、聖ヤコブ教会と見どころは多い。
緩やかな斜面、凸凹した石畳。かなり足に来る。

カフェでの一休みは欠かせない。
ローテンブルグの名物がシュネーバルだ。
日本語で(雪の玉」。

小麦粉の生地細く伸ばし、ボール状に丸めて油で揚げたもの。
空気をたっぷり含んでいるので、ドーナツより軽めの食感。
粉糖とカカオを一つずついただく。

▼マルクス塔近くのカフェでシュネーバルを食べる
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コーヒーも飲んで4.5ユーロ(約450円)。
街中にはトイレがないので、ここで用を足しておく。
すっかりリフレッシュ。いざ街探索リスタートだ。

午後2時過ぎ、ローテンブルグ観光はフィニッシュ。
いよいよ最後の観光地ハイデルベルグに向かって旅立った。
帰国まで、あと2日だ。

■全く役立たないトリビアクイズ<8>

T上司ランチ漫遊
これはドイツのワイングラスです。
取っ手のところに波型の凹凸が付いています
ちょっと分かり難いかな。
それはなぜでしょう?

★第7回解答 

日本のようにナイロン袋がかけてないことです。
ルームクリーニングの人は大変でしょうが、
1日で何万枚もの節約になるでしょう。
さすがエコ大国ドイツです。