10日目の朝が来た。

午前4時、予想通りアザーンで目が覚めた。

なぜか不快ではない。ぐっすり眠ったためだろうか。


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▲朝ごはん、しっかり食べたぞ


きょうの午後、いよいよ帰国の途に着く。

長いようで短い旅だった。2000年の歴史の遡る、悠久の旅だったからか。

中東の地を去るのが、なんだか名残惜しい。


まずは朝飯だ。一時落ちていた食欲も戻ったみたい。

パン2個、ハム・ソーセージ、チーズ、ゆで卵を平らげる。

いざ、世界遺産「オールドダマスカス」観光だ。


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▲壮大・壮麗なウマイヤド・モスク

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▲祈りを捧げるイスラム教徒


まずウマイヤド・モスクへ。

715年、聖ヨハネ聖堂をベースに建築された。

現存する世界で最古のモスク。イスラム教第4の聖地で、巡礼者が絶えない。


聖域なので、異教徒は正門からは入れない(北門から)。

女性は黒灰色の長衣を借りて、全身をすっぽり包まなくてはいけない。

もちろん履物は脱いで、裸足で歩く。


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▲全身すっぽり、まるでネズミ男だ


長衣姿の家人を見て、思わず吹き出してしまった。

ずんぐり体型のせいでもあるが、まるでネズミ男だ。

ますます、ふくれる家人。こりゃあ楽しい。


それにしてもでっかい礼拝堂だ。

長さ幅50メートル、長さは130メートルもある。

礼拝のある金曜日には、イスラム教徒で埋め尽くされるとか。


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▲イエスに洗礼を与えた聖ヨハネの聖堂


礼拝堂のほぼ中央にあるのが聖ヨハネ聖堂だ。

イエスに洗礼を与えた聖ヨハネの首が納められているとされている。

ステンドグラス越しに中をのぞいたけど、聖ヨハネの首は見えない。


ウマイヤド・モスクを後にして、「まっすぐな道」へ。

オールドダマスカスの南側を東西1500メートルにわたって貫いている。

神の啓示を受けた聖パウロが、聖アナニアに会うために歩いた道だ。


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▲石柱が残る「まっすぐな道」


歩道には折れた石柱が横たわり、石柱の基礎が今も残る。
聖書の世界に浸りながら歩こうとすると、車のクラクションで現世に引き戻される。
世界遺産の道に車なんか通すなよ^毒づいてはみたが、かえるの面にしょんべんか。


まっすぐな道の、ほぼ東端に聖アナニア教会がある。

新約聖書によると、聖アナニアはダマスカスで最初のキリスト教司教。

失明したパウロに洗礼を授けたとされる。

 
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▲聖アナニア教会          ▲洞窟のような礼拝堂


地下に洞窟のような礼拝堂があり、パウロの生涯が銅版画に描かれている。

ただしキリスト教徒ではないミーハー観光客は、それほど興味を惹かれない。

やはり聖書の世界をもう少し勉強しておくべきだったなあ。


ランチは聖アナニア教会そばのレストランへ。

狭い入り口を抜けると、広い中庭があり、春の日差しが降り注いでいる。

フィナーレを飾るにふさわしいスポットだ。


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▲ジモティに人気のレストラン      ▲明るくて開放的な中庭


満ち足りたランチを終え、ダマスカス空港へ急ぐ。

ダマスカスからドバイ空港(アラブ首長国連邦)を経て、関西国際空港へ。

トランジットを含め19時間の長旅だ。マアッサラーマ(さようなら)シリア・ヨルダン。


■ヨルダン・シリアクイズ~第19回(最終回)■

 

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長い長いクイズにお付き合い下さいありがとうございました。

この変てこなものは、まっすぐな道そばの空地に置かれていました。

さて、これは何でしょう。ずばりお答え下さい。


<第17回回答>食料庫でした

<第18回回答>(4) 殺人でした。旧約聖書によると、カインが弟アベルを殺害したのが、このカシオン山とされています。


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