私の仕事のお話です。
私が数年前より関わらせていただいている文化庁事業。
日本全国の学校に、体育の授業でダンスを教えに行くもので、
毎回プロのダンサー6人で各学校に行きます。
ダンスを通して子ども達に「心」を伝えていく授業です。
子ども達から授業の後によくお手紙をもらうのですが、
「嫌いとか苦手と思っていたことも実際にやってみたら楽しくて好きになった。」
「嫌いなことも好きになれるってわかった。」
「人それぞれちがっていいんだ。」
「答えは1つじゃないんだ。」
「間違えることは悪いことじゃないんだ。そこから生まれる道もあるんだ。」
「挑戦することが大事なんだとわかった。」
「大人になっても好きなことをやり続けている姿ってかっこいい。」
「仕事してるのに楽しそうでいいなと思った。」
「好きなことを仕事にしていいんだ。」
「できないと思っていたことも、できると信じて少しずつやっていけば、どんなことでもできるようになるんだ」
「夢はひとつじゃなくて良いんだ。」
「一人じゃできないことも皆でやるとできるようになるんだ。」
「できないこともできるようになると凄く楽しい!」
「人から拍手をもらうって嬉しいんだなと思った。」
など・・・
とっても素敵な発見を沢山してくれます。
そして授業前に学校の先生から
「この子は身体を動かせないんです」
「この子は笑わないんです」
「集中力があまりないんです」
「皆と同じことができないんです」
と心配されることも実際多くあります。
でも、たった90分のダンスの授業を終えた後、
動けないと言われていた子が元気に動いているんです。
笑わないと言われていた子が目がきゅーっとなるほど嬉しそうに笑うんです。
集中力がないと言われてた子が休み時間もずーっと真剣に練習してるんです。
集団行動ができないと言われていた子が皆と一緒に授業を受けて友達と一緒に練習してるんです。
この事業に関わらせていただくようになってから早7年、
全国で何万人という子どもたちに接しています。
そして毎回思うこと。
「できない」というのは自分や周りが決めているだけ。
どんな子でも絶対に「やればできる」んです。
子どもの可能性は無限大です。
そして大人も可能性は無限大です。
以前とある学校の特別支援級で
「この子は動けない子なので・・・」と、
「動けないことが当たり前」とされていた子。
最初の30分は本当に微動だにしませんでした。
ずっと気をつけをしたまま全身ピクリとも動きませんでした。
話しかけても目を合わせようとしても、反応は無く、
1点を見つめたままでした。
でもよーーーく見てみると、左手の人差し指の第1関節だけ、
ほんの数ミリ、音に合わせてピクっピクッと動いてたんです。
《音に身体が反応》してたんです。
これは!!と思い近くに行き、その子の真似をしてみました。
そしたら30分間ずっと1点だけを見つめてたその子が、
私のことを見たんです。
そしてその瞬間、その子の左手人差し指の動きが大きくなったんです。。。
すごい鳥肌が立ちました・・・。
そして私もその子と同じように指の動きを少し大きくし、
試しに中指も動かしてみました。
そしたらなんと、、私の真似をして中指も動かし始めたのです。
もう。。。
本当に凄いことなんです。。。
長年「動けない」とずっと思われていた子が、【動いた】んです。。。
それからの展開はすごかったです。
ちょうど前でボックスステップの練習をしていたので、リズムに合わせて人差し指と中指を交互に動かしてみました。
その子はしばらくそれを真似したあと、なんと、振付のボックスステップを自ら指で踊ったんです。
クロスも、その後のジャンプの振付も、全部指で踊ってるんです。。。
心が震えました。
「動けない」とされていた子が、自分の意思で音に合わせて指を動かし、中指と人差し指の2本で振付を全部踊ってしまったんです。。。
そしてその子は《指ダンス》を生み出したのです。
そこからはもうニコニコ笑顔で音楽が止まっても楽しそうに指で踊り続けている。
最後の発表の場ではなんと、両手の人差し指と中指で見事に踊りきりました。
あんなに心が震えたのは初めてでした。
あの子は自分自身の力で可能性を広げて、
何年も「これがこの子の限界」と思われていた壁を
ぴょーんと飛び越えてしまったのです。。。
本当に本当に凄いことなんです。
私たちは毎回文化庁から外部講師(芸術家)として派遣されています。
普段の子ども達の様子を全く知りません。
だからこそ、みんな無限の可能性を持っていると思って子ども達に接しています。
《いつもの様子・いつもの限界》を知らない外部講師(芸術家)が行くと、いつも周りが見ている角度とは違う視点で子どもたちを見ることができます。
そうすると、、、誰にでも小さな芽が沢山あることに気がつきます。
それを咲かせるほんの小さなきっかけをつくることが、私達ダンサーの役目だと思っています。
もちろん、ダンサーにも色々な人がいます。
今までこの事業を通して出会ってきたダンサーの中でも、
「数多くあるダンスの仕事の一つ」
という認識でやっている人もいました。
それが間違いでも正しいわけでもないのですが、
この事業はとっても柔軟で純粋な子どもたちの心に触れるお仕事です。
ダンサーが何気なく発する一言がその子の人生を左右することも幾度もありました。
だからこそ、
心で動いてくれるダンサーに沢山出会いたいと思い、
ここ数年全国で沢山の素敵なご縁を繋げていただきました。
この事業自体は何年も前からありますが、
(株)演舞麗夢としてこの事業をやらせていただくようになって4年目。
現在私は常務としてダンサー選考、キャスティング、コンサルタントを担当しております。
今(株)演舞麗夢でこの事業に関わってくれているダンサーは
本当に素晴らしく温かい心の持ち主のダンサーさんばかりで
「ダンスを好きになってもらいたい!!」
「頑張ることの素晴らしさを伝えたい!!」
「やればできるということを伝えたい!!」
皆それぞれ熱い想いを持って
とにかく子ども達の「良いところ・できたこと・成長の芽」
を沢山発見してくれています。
そしてそんな素敵なダンサー達、素敵な学校、素敵な先生方や周りの方のサポートがあり
毎年どんどん実施を希望される学校数が増えています。
そのため、更にダンサーのご縁を広げたいと思い、
今回はこの事業の素敵なことを沢山お伝えしたく、
文章として公開させていただきました。
もしこの事業に興味があるダンサーさんがいらっしゃいましたらご連絡ください。
ただ、【ダンサー】であれば誰でもできる仕事ではありません。
子どもの心は真っ白なキャンパスのようで、とても純粋で繊細です。
そんな子どもたちの心に触れる大切なお仕事です。
素敵なご縁が更に広まりますように・・・*
そしてこの事業は
日本全国どこへでも行くことが可能です。
先日は沖縄県八重山の小学校からもお申し込みをいただきました*
対象は
小学校・中学校・高校・特別支援学校
私立でも公立でも可能です。
もし「ウチの学校でもやってみたい・・・」等
ご興味のある学校関係者様がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にご連絡くださいませ。
私はこの事業を通して
「心」を伝えていきたいです。
そして「本物」を体験し、「心」動かされる体験をしてもらいたいです。
人の成長の瞬間を感じられる毎日を過ごせていること。
そんな素敵なことを仕事としてやらせていただけること。
とても貴重でとても有難くて幸せなことです。
臨床心理士になりたかった学生の頃。
その時は自分と同じような境遇の子ども達を救いたかったからスクールカウンセラーになりたいと思っていました。
でも自分のやりたいことは、一箇所に留まるのではなく、
全国に山ほどいる心に闇を抱えている子どもたちの一人でも多くに、何かの役に立ちたいと思っていました。
18歳の頃、
「カウンセラーになりたい。たくさんの人を助けたい。」
「でもダンスもやりたい。ダンスをやっていると心が元気になるから。ダンスも続けたい。」
「勉強は何歳になってもやりたい気持ちがあればできる。」
「ダンスは今しかできない。」
「今しかできないことからやろう」
ということで大学には行かずにダンスの道に進みました。
そして6年前から幼稚園・保育園でのダンス講師
7年前から小学校・中学校・高校でのダンス事業に関わるようになってから
ふと、「あれ?今やっていることって、【心を動かす仕事】だ。」と気がつきました。
全国の子ども達のカウンセラーになりたい!
という想いが、
【ダンス×心】
というカタチで実現できていたことに気がつきました。
なんて幸せなことなんだろう。。
なんて有難いんだろう。。。
沢山の回り道をさせてもらったお陰で、沢山の幸せに出逢いました。
自分の仕事・自分の人生・自分の生き方が大好きです。
そして何より、家族や友人、今関わってくれている全ての人たちが大好きです。
大げさなんかではなく、本当に・・・
ただただ感謝です。
本当に、ありがとうございます。
久しぶりの投稿なのにとても長文になってしまいました。。
というわけで
とっても素敵なお仕事のお話?でした☺️
これからも
心で生きます***
掲載許可をいただきましたので、
子どもたちや学校の先生方からいただいたお手紙の一部を載せさせていただきます。