前回の依頼の時に、眠り続ける母親を魔法で目覚めさせたものの、目を覚ました母親が記憶を失っていたことで、ソラは、まだ落ち込んでいて元気がありません。


元気の無いソラを、豪太はそれとなく気遣いますが、ソラの心は晴れず、講義にも身が入らない様子です。


その日、午後からの研修がお休みで、ほのみとひよりが下北沢に遊びに来ることになりました。

ところが、豪太と同じ事務所に下宿していることを秘密にしているソラは、困惑してしまいます。


遊びに来たほのみ、ひよりと一緒に喫茶店でお茶をしてると、案の定、二人は事務所へ遊びに行くと言い出しました。

そして、3人が連れ立って事務所へ来ると、事務所の前に小さな女の子が一人で座って本を読んでいるのを見つけます。

「どうしたのかな?」

気になったソラが、少女に声をかけると、

「あたし、赤ちゃんが欲しいの。」

とその少女は言います。

驚いた3人が、色々と問いかけると、なにやら複雑な事情がありそうです。

そんな少女にソラが、

「どうして赤ちゃんが欲しいの?」

と問いかけますが、

「どうしても欲しいの。」

と言い張るばかり。

そして、ほのみが、

「赤ちゃんを出す魔法なんて聞いたことも無いわね。」

と、突き放すように宣言すると、

「保育園でもらってくる。」

と、またもビックリ発言。

ひよりは、そんな少女に

「美味しいケーキがあるから食べない?」

と喫茶店で買ってきたケーキの箱を見せてなだめようとしますが、少女は、飛ぶような速さで走り去ってしまいます。


問題発言を残して走り去った少女を心配するソラ、ほのみ、ひよりの三人は、下北沢のあちらこちらを探し回るのですが…。



今回は、前回の実習の結果で落ち込んだソラが、元気を取り戻すまでの過程を描いたお話しです。

お話し後半の、走り去った赤ちゃんを欲しがる少女を探し回る過程で、魔法を遣ってできること、できないこと、そして、どんなときに魔法を遣うべきかということを、ソラが考え、理解していく様子がさりげなく描かれていて、非常に好感が持てます。

そして、ようやく少女を見つけ出して、なぜ赤ちゃんを欲しがったかが判った時に、少女にかけた魔法を使わない言葉の魔法には、思わず「いいよ、これだよ!」と言ってしまいました。


今回も丁寧な作りで、ホントに面白かったです。

次回も楽しみです。