クレメンザ役のリチャード・カステラーノはPART2には出演していない。コッポラ監督の談話によると出演料と自作シナリオ使用の問題らしいが自分の書いたシナリオをコッポラ監督に使えと交渉するとこなんぞ映画中のクレメンザを彷彿とさせられておもわず笑える。ゴッドファーザーPART1のラストで一斉に大物マフィアを暗殺する場面でクレメンザは彼らしい暗殺を行う。ショットガンで皆殺し。PART1の冒頭でワインをポリーから受け取りがぶ飲みする雰囲気に似ている。どちらも真っ赤な液体に関係している
この場面を見るとワインが呑みたくなる。そのままぶっ倒れて心臓死しそうな様子だが実に美味そうにワインを飲む男である。残虐な男なのだがどこか憎めない。

マイケルはクレメンザを心底信用していないのがPART1の会話で読み取れる。テシオの裏切りが確実になった場面で「裏切りはクレメンザかと思った。テシオの方が利口なんだ」とトムに話しかける。
私はこの言葉からマイケルは本当はテシオに裏切ってほしくなかった、逆を言えばクレメンザよりテシオを父親の死後必要としていたと感じた。
クレメンザみたいな現場叩き上げの組織幹部はマイケルみたいな洗練されたマフィアビジネスマンには不必要になりつつあったと思われる。