哀が瞳美の家に泊まっている同時間。
コナンはあることを思い出していた。

(そう言えばあいつと会ったのって…)

当時新一はニューヨークの事件を解決して日本でも高校生探偵と注目され始めた頃だった。
目暮警部を通して新愛は新一に依頼したのがきっかけだった。

彼は新愛の屋敷に着いてその大きさに驚いたがその屋敷に入っていった。
大広間に待っていたのは守青だった。

「お待ちしておりました、工藤探偵。ご案内します」

新一は守青の見せた嫉妬のような表情に少し違和感を感じたが、
それを取り除くと守青の後ろについていった。

客室についたが新愛はまだ客室に来ていなくて少し待つことにした。
その時に彼は守青と新愛はお嬢様と執事の間柄の前に幼馴染という関係だということを知った。

暫くして新愛は客室に入ってきた。

「遅れてすみません、工藤探偵。私こそ明月院新愛です」

これこそ新一と新愛の『出会い』だった。

暗号化された予告状を解いた新一は新愛に最後のパーティーを延期することを提案したが、
彼女はそれを断ったため新一は警備を強化すると提案して彼女を守ろうとした。

そしてパーティーの時犯人が彼女を殺そうとする前に取り押さえることに成功して、
明月院暗殺未遂事件が幕を閉じていたのだ。

事件のあと蘭の提案で連絡先を交換して彼女は蘭と友達同士になった。
英才教育のため友達を作れなかった彼女は蘭と友達になったことによってはじめての友達を出来たのだった。

だが。
その後新一は幼児化して蘭の家に転がり込んだ故新愛と守青も幼児化して偽りの姿を持っていることになると新一も少し悲しくなった。

隣の部屋では蘭が誰かと話していた。
その相手とは新愛だった。

「新愛ちゃん、旅のほうはどう?」
『中々いいですね。実は今沖縄にいるんですよ』
「いいな~私も行ってみたい!」
『きっと蘭ちゃんなら行けますよ。私は少し疲れているのでこれで休ませてもらいますね』
「わかった!また話そうね」
『わかりました。では』

話を少し聞いていたコナンは少し思った。

(オレと違ってあいつは出来る限り蘭に電話するよな…やっぱり初めての友達だからか?)

コナンはやっぱり自分の蘭に向けていた想いが何故冷めたのかわからなかった。
だが1つ彼はほど確信していた。

(龍崎はまだ何かを隠している)

コナンは気になることがありすぎて困っているのだ。

何故彼女はコナンと哀のことを守ろうとしているのか?
何故高校一年の時新一に依頼したのか?
何故時折見せる悲しそうな表情は何なのか?

彼女が関わる謎が深すぎて…コナンは寒気さえした。
まるで彼女が突然霧のように消えるかのようだったのだ。

それに。
彼は最近夢を見るようになったのだ。

小さい頃の自分がとあるベンチに座っていて誰かを待っている。
そして振り向くをかわいらしいドレスを着た女の子が笑って新一の元に走るのだ。
残念ながらその子の目元を見れないし声も聞こえないがその子の笑顔は本当にうれしそうな顔だった。

だがその後場面は一変して場所は炎に包まれていて幼い新一は女の子を探していた。
見つけたときその子はドレスを少し破れていて涙を見せていた。
新一は何かを言ったが聞こえるのは燃え盛る炎だけ。

その子が何かを言っていると突然彼女は新一の手を引っ張って床に一緒に転んだ。
…新一に落ちてきた鉄柱から守ろうとその子が守ったのだ。
背中が痛いはずなのにその子は何かを言った。
口の動きでわかったのは…その子が『新一は怪我してない?』だったこと。
新一は泣き出してそのまま夢から覚めるのだった。

コナンはその夢のせいで毎朝悲しく起き上がるのだ。
何かを忘れている気がするのに覚えだせないのだ。

…まさかこの夢が本当に起きたことだなんて彼は想像していなかっただろう。
そして物語は終焉を確実に向かっていた…


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