怪盗ローズが出した予告状には夜9時に姿を現すとされていた。
コナンは行くつもりはなかったが彼の好敵手である怪盗キッドも姿を現すため『ルビー・スカイ』が展示されている場所に向かった。

そこには大勢の警官がいてガッチリとビックジュエルを守ろうとしていた。
そして緊迫した雰囲気が怪盗ローズも只者ではないということを示していた。

そして。
予告状の9時になろうとしていたその時だった。
突然照明が消えたのだ、それも一斉に。

中森警部が警官に照明をつけるように命令を出した。
照明をつけると…

白い女怪盗、怪盗ローズがビッグジュエルが仕舞っているケースの上に立っていた。
それも彼女の手には『ルビー・スカイ』があった。

「御機嫌よう、中森警部?」
「怪盗ローズ!今日こそお前を逮捕するぞ!」
「クスクス。そう怪盗キッドにも言っていらっしゃるようですが未だに捕まえたことがないでしょう?では私はこれで失礼致します」

そうやって怪盗ローズはマントを翻して…姿を消した。
そして勿論聞いた通り白い薔薇がその場に置かれていた。

コナンがその薔薇を拾い上げてよく見ると…薔薇の中心部に何かがあってそれを取り出した。

『建物にあって公園にないものは?』

コナンは少し考えたがすぐに謎を解明して怪盗ローズがいるであろう場所まで急いで行った。
…近くにいた小五郎に変装していたキッドもコナンとは別ルートでその場所まで移動した。

クイズの答えは『屋上』。

そして2人は屋上に着いた。
お互い驚いていたがコナンは麻酔銃を、そしてキッドはトランプ銃を構えた。

「あらあら。やっと誰かにあの薔薇の小さなクイズに気が付いてもらえました」

怪盗ローズは屋上のフェンス付近に佇んていた。
その手には宝石がしっかりとあった。

そして…彼女は月に宝石を照らした。

「残念です。今回もハズレでした」
「…貴女もパンドラを狙っているのですか?怪盗ローズ?」
「ええ。そうですわ、しかし目的はお話いたしませんわ」
「お前は…何者なんだ」

怪盗ローズは少し笑うとフェンスの上に乗った。

「私はただの女怪盗ですわ、『工藤探偵』?」

コナンは驚いていると怪盗ローズはコナンに向かって宝石を投げた。

「それは私には必要ないものですので鈴木氏に返品願いますわ。ではこれで失礼致しますわ」

そう言って彼女は白い薔薇を投げてからフェンスから身を投げた。
心配して2人はフェンスから下を見たが彼女はハンググライダーを使って逃走していた。

「…キッド。お前の仲間じゃないのか?」
「いえ。私も彼女のことはご存じありませんよ、名探偵?」

だがキッドの頭の中ではあることを考えていた。

(変だな…会ったことはないはずなのにどこかで会った感覚になったんだよな…なんでだ?)

彼もコナンが瞳美たちと会ったときと同じような感覚になったのだ。
だが彼も怪盗。ポーカーフェイスという名の仮面をつけてコナンの前から姿を消した。

白い薔薇の花言葉は…
『心からの尊敬・無邪気・清純・純潔・恋の吐息・相思相愛・尊敬・素朴』

怪盗ローズが残している意味とは一体何なのか?
それは全てがわかったその時わかるのかもしれない…


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