こんばんは
お客様の御希望で、かなり久しぶりに、老舗の大市さんへ行くことになりました。
建物は全く変わっていませんでした。
最初テーブルのセッティングに、持ち帰り出来るひざがけが掛けてあるだけで、案内の若いおねえさんからは何の説明もありません。
献立もそのままのようです。
佃煮は程良い味付けですが、骨付きだから、せめてガラ入れの説明くらいすれば良いのに。
京都のお方でも、そうしょっちゅうここに来るわけではないでしょう。
まずはスープが出ます。
白濁したスープは、いかにも滋味滋養。
このお鍋でしか出せない味だと謳われている通りです。
合間に給仕してくれた、さっきよりも年上のおねえさんは感じの良い方で「ある程度スープを掬った後の方が、お肉が分かりやすいんです」と、見せてくれました。
けれど食べている間中、他所の小学生くらいのお子さんと父親の騒ぐ声が五月蠅いこと。
食事処や旅館で、ある程度以上の年齢の子供さんからしか引き受けないのが良く分かります。 常連さんなのか何なのか分かりませんが、このお値段で、これはあり得ません。
スッポンそのものの濃いおつゆで炊いた雑炊です。
雑炊の、黄身は美味しいのですが、お餅は断っても良かったかも。
ゆるゆると柔らかく溶け込むようならまだしも、ごってりと固まってしまい、おつゆが勿体ないように思いました。
雑炊を作った後、「お焦げはとらんとって下さい。お鍋が割れちゃうんで。」と一言。
やれやれ。
後、香の物と水菓子です。
それにしても、前回ビックリするようなことがあったので、念の為、予約の際に「接待ですので、宜しくお願いいたします」と伝えても「はあ?」という訝しげな返事だったので、不安がありましたが、案の定でした。
既に昔、川端康成さんでも「部屋も古びて、天井が低いようである」と書いていらっしゃいますが、畳も擦り切れたまま、なにか被せてあるようなお粗末さ。
お酒が入っているのに下げたので、まだ入っていると伝えると、首を傾げて覗き込み、確認してから黙って戻して来る失礼さ。
帰りにやっとお見送りに女将さんが出てきたようですが、こちらはもう表でした。
お客様の御希望で行ったので、まだ良かったものの、自分たちで選んでいたとしたら、申し訳なさにいたたまれなかったと思います。
食事に行って、お料理とおもてなしの心、どちらが欠けても残念でしかありません。
この日、お客様から頂いた、岡山のマスカットと静岡のメロンの上等だったこと・・・今回の接待には勿体ないくらいでした。