娘が結婚するのに伴い、嫁が娘の旦那と一緒に二世帯住宅を建てたいと言う。その場所も、娘が今の実家(私達夫婦が住んでいる)がいい。職場に行くのにも町に出るのも近いからと言う。しかし、この土地は兄の名義になっている。100坪あるので、買うとしても1500万はする。嫁はそんなお金はとても出せない。それで後ろ半分だけ売ってもらえないか。
 それも、後ろにあるアパートをリフォームして二世帯住宅にできないか。と言い出した。そもそも兄はこの土地をどうするつもりなのか聞いてくれと言う。今は兄の名義の土地に、親の建てた家で、家賃なしで住まわせてもらっている。この土地は、母親が亡くなった時に(父は先に亡くなっていた)、長兄が4人の兄弟に遺産を分けた時、私たちには現金で、長兄は土地の権利を取った。だからもう遺産分けは済んでいるのである…。兄ももう75歳である。もうそろそろ自分の目の黒いうちに、この土地をどうにかしなければならないと考えていると思うのである。

 ちなみに私は信仰をしている。嫁は宝くじで3000万当たったら土地を買って家を建てたいとずっと思っていた。この数カ月前から、嫁は山に登りすぎて、膝を痛めていた。あまり痛い痛いと言うので、私はどうせ信じないだろうと思いながらも、「うちの信者のU先生が、昔一緒に布教していた頃、膝が痛くなって、その時人が神様に上げるお水を下ろした後に、膝につけさせて頂くと治ったという話を聞き、自分もつけさせて頂こう。このままでは布教が出来ない。そうだ、治るまで毎日つけさせて頂こう。」と思い、つけ始めると三日で治った、という話をした。
 すると、「なぜそれを言ってくれないの。私はもう三週間も苦しんでいるのに。」と言うから、言っても信じないと思ったと言うと、信じるか信じないは私の勝手でしょ、とにかく言ってくれなくっちゃ、と言うから、じゃあつけるよと言うと、もういい。いやつけさせて頂くから。という問答があって、私が神様に上げた御水を下ろして嫁の膝につけさせて頂くと、次の日の朝、嫁の足の痛みはずいぶん和らいだのである。

 それから、タイミングが合えば御水をつけさせて頂いていた。(私が塾で寝てしまったりするので、なかなかタイミングが合わないのだが。)
 すると、次ぐらいのタイミングで、膝に御水を付けるとき、嫁が「3千万!」と言うようになった。どうも神様に、3000万円宝くじが当たりますようにお祈りをしているらしい。便乗お祈りである。そう都合良く行くわけもないが、嫁がいつも家のことを心配しているので、私も同情して、一緒に「3千万」と言ってやるようにした。その内、「1500万、1500万!」と言うようになった。
(嫁は左足が悪いのだが、左足をかばうために右足も悪くなった。だから両足に付けるのだが、両足で3000万だから、片方1500万ずつだと言うのである。)(その内つけるのを忘れたら、足を叩いて「黄金の足」と言うのだが、別に嫁の足が1500万を稼ぐ黄金な訳はない。)

ちなみに兄はもうすぐ7月の半ばに、娘の結婚式に帰って来る。それまでに兄ちゃんに、この土地をどうしたいのか聞いてと言う。嫁はいろいろと建築屋に聞いたり、市役所に私に行かせたりして、果たしてこの土地に家が建てれるのかどうか調べていた。(私の家は隣と共同の橋で前の道路とつながっている。この橋が4m以上なければならない。それは一応クリアーしているらしい。)そして土地を全部買えるお金はないから、半分だけ買いたい。でもその場合、残りの半分は、何も建てられない死に土地になるかも知れないと、いろいろと考えていた。

 兄は東京に住んでいて、もう長らく自分のマンションで、子供達も向こうにいる。松山に帰ってくるつもりもないし、ここに投資してマンションを建てる(以前はそういう話を下の兄と話していたこともあったらしいが)という気もないと思う。ただ、家はもう築55年だし、すでに床が抜けかけている。いつまでも住めるわけでもない。(裏の木造アパートも似たようなものである。)

 土地が全部買えればいいのだが、私がもっと稼げればお金の足しにしてやれるのだが、塾は赤字で存続の危機にある。

しかし、このところ、先生業経営コンサルタント、志師塾というところの無料講習90分というのを受けて、(これは去年も受けて、非常に良かった。)ついでに30分の無料相談というのもして頂いて、そこのアドバイスに従ってチラシを作ったら、すぐに反応が3件もあった

その内の一件は小学1年生、週11時間コースが決まった。あとの2件の内、1件は検討中ということで6月中には無理だった。もう1件は中3生の夏期国語のみという受付だったが、一応面接はしたのだが、本人だけ来たので、説明だけしていろいろなコースの提示をして帰した。それが土曜日、6月29日の事である。6月いっぱいに申し込めば夏期講習は2割引きになるという宣伝文句にしていた。
 630日日曜の晩、どうしても父兄にこの件を確認しなければならない。(ちなみに入金が遅れても、6月中の受付ということで2割引きにするとは子供に言っておいた。)それと、兄貴にどうしてもこの日電話をしてくれと言われていた。

 プレッシャーのかかる電話が2件。その日はホテルのバイトが半日だけあったが、久しぶりにブログを書こうと思って、本など読んだりして、くつろいでいた。でも電話はしなければならない。

 夜の8時ごろ、まず生徒の父兄に電話をした。これはもう夏期の国語のみと決めていたので、他の科目は他塾で受けるのでいい、ということだった。お金は近日持って行くと言う。こちらはOKだ。 

 兄の方は最初出なくて、9時ごろにもう一度電話をすると出て、何の話?と言うから、「嫁が二世帯住宅を建てたくて、娘が結婚を機に、家を建てるのにこの土地がいいと言う。この家もいつまでもは住めないので、リフォームか新築にして建てたい。しかし、お金がきついから、土地を半分だけ売ってもらいたい、と言っている。」と話した。すると兄は、「お前たちが住む分には、全然かまわない。その土地をどうこうしようという考えは持っていない。ただお前の名義にすると、お前が金に困った時に売り飛ばしてしまったらいけないから、自分の名義にしている。」「とにかくお前たちが住む限り、いつまでも使ってもらって構わない。」と言うのである。

 それを嫁に伝えると、喜んで、私が「でも将来的に娘たちの土地にするために、半分だけ買って、残りは10年でも長い年月で分割にしてもらったら。」と言うと、「あなたはお金を持ってないくせに、何てことを言うの。そんなお金がどこのあるの。」と怒るのである。

 ただで使わしてもらえるとわかった途端に、現金なものである