記憶というものは不思議なもの。

 

ずっと頭の中にある声を

 

電話の声を

 

頭の中で何度も反芻して...

 

さっき、携帯電話の着信をみて驚いた。

 

着信は、昨日の朝だった。

 

何度も何度も繰り返し、心の中で聴いたせいで

 

もう、ずっと前、一週間は経っているような気持ちがしていたよ。

 

あなたは、私に昨日電話したことなんて

 

もう、忘れているのでしょう?

 

 

 

それでもいいよ。

 

昨日までの数日間、何を思ったか、

 

私を着信拒否にして

 

それをわざわざ外して、

 

私に電話してきたの。

 

意識が朦朧とする中で

 

私のことを思い出した。

 

今はそれだけでいい。

 

私はまだ、あなたのことを愛しているから。

 

 

さっき、別の人から連絡がきた。

 

今、帰ったよ、って。

 

ごめんなさい。今は、あなたのことを考える余裕がないよ。

 

 

私は、いつも、一人しか愛せない。

 

一度だって、言ったことない。

 

あなたのこと、愛してないとは言ったけど。

 

でも、本当は愛してる。

 

いつもあなたのことを考えている。

 

考えるだけで、涙が溢れてくる。

 

目の奥が痛い程に熱いよ。

 

 

 

一度だって、上手く愛し合えたことなんてない。

 

いつも問題しかなかったけれど

 

ある晩、一晩中、私のことを何度も抱きしめたこと

 

行為ではなくて、

 

何度も何度も温もりを確かめてた。

 

その時の感覚がまだ忘れられない。

 

寂しがりで、可愛くて、馬鹿な坊や。

 

 

母性本能しかないのかもしれないけれど

 

私は、そうやって求められたことが嬉しくてたまらなかった。

 

 

 

今もあなたのそばにいって

 

あなたを強く抱きしめてあげたい

 

あなたは、優しい子。

 

あなたは、強い子。

 

あなたは、大丈夫、って

 

 

そして魔法をかけて

 

あなたを自由な世界に連れて行ってあげたい。

 

 

私が生きている世界へ

 

連れ戻してあげたい。

 

 

 

 

 

神様お願い、戻してあげて。