引っ越し作業をしていたら1本のVHSビデオが

出て来た。タイトルは【運動会】だった。

劣化する前にDVD化を急ごうと業者に依頼した。

出来上がっても、見る勇気が出て来なかった。

すると、もう1枚頼んだ、自分の父の映像

DVDがPCで作動しなかった。プレーヤーで

再生を試してみた。父のDVDは映った。

では、子供のは?・・・映った。

 

そこには絵に描いたような素晴らしい家庭

があった。まず、保育園の運動会。父親は

全ての保護者参加プログラムに出ていた。

ということは、撮影者は子供の母親、元妻

である。一生懸命、子供と父親が入るように

撮影してくれてた。

 

見るつもりがなかった1時間56分を全部

見てしまった。ため息がでた。

 

年数はわからないが、数年間、とても良い

家族をわたしはつくっていた。妻と共に

一生懸命、保育園の運動会に参加して

いた。保育園には息子たち3人を同時に

入園させたから、長女の姿も映っており

夫婦、4人の子供、計6人で参加していた。

 

長女の表情が少し曇っていたように思えた

年子の弟3人が短期間に出来て、憂鬱だった

かもしれない。1人天下が3人の弟たちの姉

になり、4人目は『妹だったらいいなあ』と

楽しみにしていたのに、男の子だとエコー

検査でわかった時に彼女は泣いた。幼心

が失望し、大きな落胆の瞬間だったろう。

 

しかし、わたしは、保育園の遠足の時に

小学4年生の娘を、堂々と学校を休ませ

連れて行った。連絡帳には『保育園の

遠足があります。息子が3人いますが

両親では人数が足りませんので、姉を

連れて行き、1人の息子に1人つける

ようにします。ですから、学校を休ませ

ます。』と書いた。

 

長女にも良かったと思う。両親と弟3人が

今頃遠足に行ってるなあと、小学校で

思わせなくてよかったから・・・長女も

楽しそうだった。

 

さて、

映像を見ながら、可愛くて可愛くて仕方ない

我が子の行動を見て、思わず表情筋が緩ん

だ。息子たち3人は、何の悩みもなく、伸び伸び

と明るく、大らかに育っているように見えた。

 

しかし、そんな家庭を我々夫婦は壊して

しまった。

 

数年前にインターネットで見た文章に【両親の

激しい喧嘩は幼い子供の心を傷付ける】と

書いてあった。

 

数回、激しい喧嘩を見せてしまった。最後は

元妻が110番して、夫を懲らしめようという

気持ちにさせるくらいの激しいものになった。

以前の記事で、わたしの傷の写真を掲載した

が、あれでは物足りないくらいの【いかり】が

彼女の中にあったのだろう。

 

そんな夫婦は、まず、4人の子供たちの親として

失格である。

 

そして、それは、わたしが元妻に対して、愛情が

冷めたことが発端だと思った。元妻がお風呂

上がりに化粧水をつける『パチパチパチ』という

音に、耳をふさいだのを覚えている。そこまで

冷めてしまったら、どうにも出来ない。円満離婚

をして、それぞれが親として子供たちに向き合う

べきだったかとも思う。方法がわからない。

 

長男からの情報で【子の連れ去り】【洗脳虐待】

を聞いてからは、元妻に対して【いかり】【憎しみ】

しかなかったが、運動会の映像を見て、元妻を

責めることも子供たちに働きかけることもやめよう

と思った。

 

一緒に運動会を盛り上げてくれた元妻と絵に

描いたような幸せな素晴らしい家庭、家族を

つくりあげ、それを台無しにしたのは大人の

責任!子供たちに母親の悪事を教え、父親

の愛情を伝えたところで、映像の家庭、家族

の姿は戻らない。

 

引っ越し作業で出て来た子供たちのものを

当時の彼女、彼らに想いをはせながら、1つ

1つ丁寧にきれいに整理し、保管し、死ぬまで

とっておくことが、今の自分に出来ることだと

思っている。

 

特に、長女と長男が傷ついた想いを想像

しながら、思いを込めて、今、丁寧に扱って

いる。