『愛犬ボーイの生活と意見(原題:A Dog's Life)ピーター・メイル著 池 央耿 訳 1997年河出文庫』を読みました。

ピーター・メイル(1939年~2018年没)はイギリスの作家で、ニューヨークの広告会社に勤めた後、1980年代にフランスのプロヴァンス地方に移住し、「南仏プロヴァンスの12か月」「南仏プロヴァンスの木陰から」などの著作で有名です(私は読んだことはないのですが)。

 

この本は、プロヴァンスでメイル夫妻に拾われボーイと名付けられた実在の犬のお話だそうです。

ボーイは、挿絵からするとエアデール・テリア種ではないかと想像するのですが、エアデール・テリアの特長である「明るく活発で飼い主に忠実だが、プライドが高く強くしかると反抗的になる」「失敗を叱るよりも少しの成功をたっぷり褒めて育てるとよい」にピッタリの視点から、夏目漱石の「吾輩は猫である」のような語り口で、メイル夫妻との生活や夫妻を訪れる様々な人間、猫や鶏などの動物に接した経験や経験を通して考えたことを語ります。

これは著者が愛犬ボーイの口を借りて現代社会を辛辣に論じた社会戯評になっています。

 

最後の「人類について一言」の章で、ボーイはこれまでの自分自身の経験から人間社会に暮らすために必要な考えを「若い犬たちへの助言」というかたちで述べます。

 

「1.クリスマスは用心すること」

 この日は人間にとって特別な日で人は浮かれている。この日に贈られた子犬は遠い先のことを考えてはいけない。

「2.テレビには間違っても近寄らぬこと」

 騒がしいドラマやショウを見るより、外に出て蟻を見る方がよっぽどいい。

「3.強盗には絶対に吠えぬこと」

 強盗は他人の権利を尊重しない。乱暴をはたらくおそれがある。吠えるのは強盗が立ち去ってからにすること。

「4.人間にとって入浴は身だしなみであり、快楽である」

 社会生活の全般におけると同様、四つ足で泥だらけの犬族とは異なる規範がある。

「5.生来の敵と味方の区別を知ること」

 要注意の相手ははじめから避けること。

「6.選択的服従の必要を知ること」

 平常は自由勝手に行動しても、時に黙って権力者の言いなりになった方が丸くおさまることがある。

「7.異性の仲間を家に連れてこないこと」

 連れてくれば妙に勘繰られるだけ。

「8.獣医に噛みつかぬこと」

 どんな扱いを受けても、医者に悪気はないと思うしかない。

 

アスティも私たちとの生活を通していろいろなことを経験し、感じていることがあると思います。

■愛犬アスティの生活と意見

1.果報は寝て待て。

2.嫌でも避けられないことはある。そのときはさっさと済ましてしまうこと。

3.ホームセンターは楽しい!

 

 

果報は寝て待て

 

嫌でも避けられないことはある

 

ホームセンターは楽しい!