夫婦別姓問題・「裏口からの別姓導入」に要警戒 メモ | ちたろんのブログ

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■2018年4月16日 日本政策研究センター

夫婦別姓問題・「裏口からの別姓導入」に要警戒
日本政策研究センター研究部長 小坂実
〈『明日への選択』平成30年4月号〉

 ◆見出し難い「訴えの利益」

 ところで、そもそも原告が改姓によって被った不利益とはいかなるものなのか。これは、税金で維持される裁判機関を用いて紛争を解決するに値するかを判断する「訴えの利益」にも関わる重要な問題だ。青野社長は「本当に大変でした」として、こう述べている(文春オンライン17・12・2)。

 「公的な文書はもちろん、クレジットカードからポイントカードまで、財布の中身は全部書き換え。社内では現在に至るまで『青野』で通していますけど、株主総会では『今日だけ私は西端慶久です』と話すハメになりました。また、当時はまだ株券が電子化されていなかったので、紙の株券の名義変更手数料が約81万円かかりました。信託銀行経由でサイボウズに請求がきて、後でその額を聞いてもうビックリですよ。……海外に出張する時に、先方が気を利かせて私にホテルを手配してくれることがあって、当たり前ですけど予約名は『青野』。ところが、僕のパスポートは『西端』だから、ホテルのフロントでチェックインしようと思ったら『お前は誰だ』と言われる。自分が『青野慶久』であることがなかなか証明できなくて困り果てました」

  ところが、である。ここで語られている「不利益」はほとんど全て、今では制度やシステムの進化によって解決されたか、解決されつつある問題なのだ。つまり、全ては過去の問題とも言えるわけである。

 まず、八十一万円かかった株の名義変更手数料。平成二十一年に株券は電子化され、今やこうした不利益はほとんど生じない。そもそも八十一万円のコストは、当時売上高二十九億円超のサイボウズが払ったもので、青野氏個人の不利益でもない。なお、青野氏は自社の大株主で、時価四億三千万円超の自社株を保有する資産家だ。

 次に、株主総会で本名を説明しなければならないとこぼしているが、首を傾げざるを得ない。同社の株主総会の招集通知は「西端慶久(青野慶久)」と記しているからだ。それでも誤解される余地があると考えるなら、「西端慶久は青野慶久の本名」と注記すれば済む話ではないか。

 さらにパスポートの問題。結婚前の旧姓で活動実績がある場合、旧姓を併記できるから、青野氏の場合、その手続きを行えば即解決するはずだ(昨年、政府は希望者は誰でも旧姓を併記できるようにする方針を固めた)。
なお、住民票やマイナンバーカードも旧姓併記の方針が決まっており、金融機関の口座でも旧姓が使えるよう政府は全国銀行協会などに要請してもいる。

 青野社長は今回の訴訟を「ワクワクしています」と語っているが、少なくとも先のような原告の言い分に国民の血税を費やすに足る「訴えの利益」があるとはとても思えない。