フラワーモチーフジュエリーブランド

セレンディップジュエルの

天生目理香(Nabatame Rika)です。

 

 

このブログは、今落ち込んでいて、

出口が見えない人に読んでいただきたくて

書き始めたパーソナルStoryですが

出口が見えている人も読んでくださっていて嬉しいです。

 

 

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ジュエリーデザインスクール⑤(40歳どん底Ns.がジュエリーで輝く2620日㉔)
 
 
 自分でジュエリーをデザインする。
 それが最後の課題だった。
 
 半年間、学んだことの集大成。楽しみで胸が高鳴った。
 
 「石は大きくて透明な色。ホッとするようなデザインのジュエリーにしたい」
 
 漠然としたイメージはあった。
 
 この頃になると、デザインのレッスン中に、これから作ろうとしているジュエリーブランドのことについて先生にいつも相談していた。
 
 「お花をモチーフにしたジュエリーブランドを作ってみたいんですよね」
 「途上国の支援ができるようなブランドにしていきたくて…」
 
 先生は、ジュエリーデザインだけでなく、ブランディングの仕事もされていた。「ブランディングも含めて協力をお願いできないか」。そう思うようになっていた。
 
 色んな本を読んだりして勉強はしてきた。だが、やはり自分一人の力では全然無理だと思った。全てが未経験、別世界のこと。イメージを言葉や形にして表現することが難しかった。
 
 例えば、ジュエリーブランドのコンセプトとして当初考えていたことを私が言葉にすると、ストレート過ぎて夢のない言葉になってしまう。どんなに考えても、現実的な言葉しか思い浮かばなかった。
 
 病気や死と言った厳しい現実を直視する看護師を職業としていたためだろうか。美しいものを創造する、表現するという事との乖離があまりに大きく、その溝が埋められなかった。
 
 「美」に対する感性をどこか自分の奥深くに閉じ込めたまま忘れてしまい、見つけることができない…。
 そんな感覚だった。
 
 でも、私の考えていることを先生に伝えると、びっくりするくらい美しい形になっていく。その言葉からイメージが目に見えるような感覚だった。
 
 先生に出会うまでのことや、未来ビジョンについて話をしながらアドバイスを頂き、1番最初に決めたのは、ブランド名だった。
 
 いくつかの候補があったが、「SERENDIPJEWEL」にした。
 
 セレンディップとはセイロン島、スリランカの昔の呼称で「光り輝く島」という意味。
 この島では昔から美しい宝石がたくさん採掘されることから、このように呼ばれていたのだそうだ。
 
 周囲の友人や知人に意見を聞くと、
 
 「覚えにくいんじゃないかなぁ」
 「わかりにくいよ」
 
 反対意見も多かった。
 
 悩んだが、自分としては「これしかない」と思った。
 
 悩んだ時は、いつも原点や理想に戻るようにしている。自分の小さな思いで限定せず、あるべき理想を大切にしたいと思っている。
 
 看護師を辞めてから、これからの人生をどう生きようかと考えに考えている時、夢の中で「セレンディピティ」(偶然の幸運)という言葉に出会った。
 
 その言葉の語源を調べるうちに、セレンディップ、スリランカのことを知り、「ジュエリーブランドを始めたい」と思い始めた。
 
 その後偶然にも、スリランカの宝石商・フセインさんと出会い、10個の宝石を預かった。
 
 そんな小さな奇跡のような積み重ねから始まった物語。この物語はどこまで続いていくのかわからないけれど、ブランド名は「SERENDIPJEWEL」。これがいいと思った。
 
 「JEWELという言葉を使ったほうがいいですよ」。先生からのアドバイスもあった。その意味に「貴重な物」「宝」といった意味が含まれているので、この言葉にしたいと思った。
 
 長く大切にしていただける宝物のようなジュエリーを作りたい。
 たくさんの物があふれる時代の中で、埋もれることなく、素敵な思い出と共にずっと輝いて大切にしてもらえる。そんな確かなものを作りたいと思った。
 
 ジュエリースクールの最後の課題のデザインは、リングに決めた。身につけたときに、自分の目に映るものがいいと思った。ネックレスやピアスだと、鏡の中でしか見えないから。
 
 イメージが他の人にもわかるように、目に見える形で美しく描かなくてはならない。それは容易ではなく、想像以上に手間取った。
 
 イメージを形にする…。
 とても難しいことだと、改めて思った。
 
 ジュエリーブランドを形にする過程で、その難しさと常に向き合っていくことになった。