フラワーモチーフジュエリーブランド

セレンディップジュエルの

天生目理香(Nabatame Rika)です。

 

このブログは、今落ち込んでいて、

出口が見えない人に読んでいただきたくて

書き始めたパーソナルStoryです。

 

 

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主婦トレーダー生活(40歳どん底Ns.がジュエリーで輝く2620日⑧)

 

 

ゼロの数がやけに多い。

 
 「これってどういうこと?…」
 
 お金って、こんな簡単に増えていくものなのか。半信半疑のまま、iPadの画面を見つめた。
 
 その頃、銀行に勧められて資産運用を始めていた。
 きっかけは、窓口での何気ないやりとりだった。
 
 「何かお使いになるご予定があるのですか?」
 
 「特にありません」
 
 「投資信託をやってみませんか?」
 
 その銀行には、看護師をしていた時の給与振り込みの口座があった。もうそれは使わない気がして、お金を全額下ろしに行った。退職金や、使わずに残っていた給料を全て別の銀行の口座に移そうと考えた。
 過去の記憶につながるものを「リセット」したかったのかもしれない。
 
 行員の問い掛けに曖昧な受け答えをしたのは、何となく「別の銀行にお金を移す」と言いづらかったからだ。行員が勧める日本の投資信託に関する説明を、ちょっと面倒に思いながら聞いていた。
 
 ただ、最後まで話を聞いてふと思った。「途上国の投資信託ならいいかな」。これからどんどん発展していく国々がたくさんあると思った。
 
 始めて半年くらいたったある日の夜、ベッドに横になりipadで投資信託の運用状況を見て驚いた。購入した時の1・5~2倍くらいに増えていた。
 
 当時、追い込まれた民主党政権の野田佳彦首相が「衆院解散宣言」をしてから、急に円安が進んだ。もちろん株価も上がっていた。
 
 それは何となく知っていたが、自分の持つ投資信託にこんなに反映されているとは思いもしなかった。
 その勢いが、あまりにすさまじかった。
 
 「世界のお金の流れが変わり、日本に集まってくる」
 そんな内容のことが書かれている記事を目にして、海外の投資信託を解約した。日本の株を買ってみると、またお金が増えていった。
 
 今度は、株式投資を始めた。全く知識はなかったが、何をしてもうまくいくような時期だった。その勢いで、興味本位にFXまでやってみた。
 
 最初のうちは、信じられないほど増えた。「このお金ってどこから来たの?」。不思議で仕方なかった。

 

 キッチンのダイニングテーブルにパソコンを置いて、家事の合間にトレードし、関連する本、雑誌を読んだ。毎日、ネットで世界のニュースをチェックした。リアルタイムで為替や株価が変動する様子を見ているのが純粋に面白かった。
 この国のこの出来事で、この人の発言で、「こんな風に動くんだ」と。
 
 アナリストや専門家の文章もよく読んだ。たくさん読むうちに、「この人の言ってることは少し外れているかも…」と、なんとなくだけれど、自分の見方もできるようになってきていた。
 
 ある日、「主婦トレーダー」と呼ばれる存在があることをネットで知った。海外では、日本人の個人投資家に「ミセス・ワタナベ」という俗称もあるらしい。
 これって、私のこと?
 「ちょっと嫌だな…」と思った。
 
 
 資産運用をやっていることは、しばらく誰にも話せなかった。悪いことをしているとは思わないけれども、なぜだか話せない。だから、人に胸を張って言えることがしたいと思うようになった。
 
 簡単にお金が増えていくのは、ゲームのようで面白いけれど、だからと言って充実感があるわけでもない。それでもお金は増え続けてくので、なかなかやめられなかった。
 
 株やFXをやりながら、実態のない不確かな世界に違和感も抱いていた。「自分のやりたいこと、好きなことって何だろうか」。人生をかけて向き合える確かなもの…。少なくともこれではない。そう思うに至った。
 
 短期間で増えたお金は4000万円ほどになっていた。ある団体に全額寄付をし、主婦トレーダー生活とは縁を切った。
 アメリカの有名な投資家ウォーレン・バフェットみたいになれたら…と思った時期もあったが、やはり違う。
 そう思った。
 
 家にこもって、あれこれ考えていても何も変わらない。
 
 どんなに勉強して知識を蓄えても何も変わらない。
 
 私に足りないのは行動ではないだろうか。
 
 長い時間をかけ、遠回りしてきた。自分の好きなこと、一生の仕事にしたいこと、人生をかけても悔いのないことをしなければ。
 
 「行動しよう!」
 
 見つけた答えはシンプルだった。