【REUTERSより抜粋引用】
菅第2次改造内閣が1月14日夕、発足しました。
菅直人首相が重要課題に掲げる税制・社会保障改革の実現
を図るため、持続的な社会保障制度の確立を訴えてきた
与謝野馨元財務相を経済財政、社会保障・税一体改革担当
相に起用するなど、課題解決に向けて「実務強力推進内閣」
(枝野幸男官房長官)の布陣を敷いたものです。
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2011年度予算・関連法案を審議する通常国会の1月24日
召集も決まり、菅政権は新たな態勢で審議に臨むことになり
ますが、早くも与謝野氏起用に野党が反発を強めるなど予算
案審議円滑化や税・社会保障改革の与野党協議の実現など
に向けた「改造効果」は不透明です。![]()
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内閣改造の目的について
「今の日本の危機を乗り越
えていく力を最大限にした
いとの観点から改造を行っ
た」と強調しました。
ねじれ国会における審議の
障害を取り除くため、参院で問責決議を受けた仙谷由人官房
長官と馬淵澄夫国土交通相の交代を断行。
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また、税制・社会保障改革、環太平洋連携協定(TPP)など重要
課題の解決に向け、「たちあがれ日本」を離党し、これまでに持続
的な社会保障制度の確立を訴えてきた与謝野氏を取り込むととも
に、官房副長官に民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」で
会長を務めている藤井裕久元財務相という重鎮を起用しました。
TPP参加に慎重姿勢を示していた大畠章宏経済産業相を国土交
通相に回し、積極派の海江田万里経済財政相を経産相に横滑り
させるなど、政策実現に向けた菅首相の強い決意を示す布陣とな
りました。
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<与謝野氏、財政・社会保障で「首相と考え一致」>
特に菅首相は「社会保障制度のあり方と同時に、持続可能な財
政をいかに確保するかの議論が必要だ」と主張。
税制・社会保障改革を政権の最重要課題に位置づけました。
その上で、与謝野氏を社会保障・税制改革の責任者に起用した
ことについて、与野党協議実現への取り組みを含めて「内閣改
造の大きな性格の表れだ」と強調し、経験豊富な与謝野氏の調
整能力に期待感を示しました。
これに対して与謝野氏は、閣僚名簿発表後に記者団に対し、
「日本の財政を何とかしないといけない、社会保障改革をやらな
いといけないとの方向性は、首相の考えと一致している。なるべく
早く具体的な案を作りたい」と改革実現に強い決意を表明しました。
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こうした改造内閣の布陣について、伊藤忠商事のチーフエコノミスト
中島精也氏は「税と社会保障の一体改革をするという姿勢を明確
に打ち出すことができる」と評価。![]()
クレディスイス証券のチーフエコノミスト、白川浩道氏も、経済財政
担当相と経済産業相の交代は「菅政権が、消費税増税を軸にした
財政再建とTPPを軸にした対外開放を経済政策運営の柱に据える
というメッセージにほかならない」と指摘しています。![]()
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<与野党協議に高いハードル>
もっとも、今回の内閣改造によって、ねじれ国会を乗り切り、税制・
社会保障制度改革の与野党協議実現を大きく前進させるのは難
しいようです。
与謝野氏起用について自民党の谷垣禎一総裁が「論評に値しな
い」と不快感を露わにするなど・・・、むしろ野党は反発を強めてい
ます。![]()
仙谷・馬淵氏の交代で国会審議をスタートするメドこそついたもの
の、野党が2011年度予算・関連法案に理解を示す保証はありま
せん。
与謝野氏が中心的な役割を担うことになる税制・社会保障改革の
与野党協議の実現性は一段と不透明です。
クレディスイス証券の白川氏は、衆参で与野党勢力が逆転して
いる「ねじれ国会」の状況に変化がないなか、「足元の政策運営
すらおぼつかない状況で、消費税増税のような大きな問題を本当
に議論できるのか、甚だ疑問」と改造効果に懐疑的な見方を示し
ています。![]()

