生きると活(い)きる | RYUの生き方、逝き方

生きると活(い)きる

精神が不安定という言葉がある。

だが俺の心は風のない日の湖の鏡のような湖面のように静かなものだ。

うつ状態から脱した訳ではない。

うつ状態のまま凍り付いてしまったのだ。

だからうつ状態で安定している。

マンションが未だ売れないので、本当にシビアな状況なのだ。

このシビアな状況は今後加速していくだろう。

いや、事実日々シビアさはすでに加速している。

不安は不安だが、どこかあきらめにも似た感情があり、「なるようになるだろう」と思っている。

生活とは、「生きる」事を「活(い)かす」営みだ。

俺は生きてはいるが、活きてはいない。

瀬戸内寂聴さんが「出家とは生きながら死ぬ事」と言われていたが、今の俺の状態も同じようなものだ。

幸い心療内科でもらった薬が、効いているのか睡眠はちゃんととれている。

仕事もきちんとこなしている。

ただそれ以外の自由時間が、辛いうつ状態なのだ。

うちの会社は土日祝休みだが、俺は土日用に仕事をためておいて内勤している事が多い。

土日を休むと家族連れが多く、見ていると「なんで俺には安らげる家庭がないのか?」と自問してしまい辛いのだ。

だから土日働いて平日休んでいる。

いわゆる不定休だ。

休みの日は母の入所している施設を訪ねたり、ドラッグストアに行ってきれかけてるビタミン買ったり、スーパーで食料品買ったりで、午前中がつぶれ帰宅してからは、掃除と洗濯だ。

うつが強くなると掃除がおっくうになるらしいが、俺は念入りに各部屋掃除している。

そしてすべてが終われば好きな音楽かけながら、壁にもたれてボーッと足の指を見つめている。

指先を見つめながらふと我が人生は、「流浪の旅」そのものだと思った。

                                        RYU



流浪の旅


宮島郁芳・後藤紫雲
作詞/作曲


流れ流れて 落ち行く先は
北はシベリア 南はジャバよ
いずこの土地を 墓所と定め
いずこの土地の 土と終わらん


きのうは東 今日は西と
流浪の旅は 何時までつづく
果てなき海の 沖の中なる
島にてもよし 永住の地欲し


思えばあわれ 二八の春に
親のみ胸を 離れ来てより
過ぎ来し方を 思いてわれは
遠き故郷の み空ぞ恋し