Addicted To You | RYUの生き方、逝き方

Addicted To You

1月21日の「酔って候」という記事にも書いたが、10年以上断っていた酒を今年から飲み始めた。

飲み始めにあたって、秘かに期待している事があった。

大好きな小説家,故中島らもさんのように「酒に依存してしまうのではないか?」という期待である。

俺は昔から覚めていて、何かに強烈に依存した経験がほとんどない。

母親にさえ依存出来なかった。

数少ない依存経験は、30歳の時に出会ったJUNKOちゃんだけだ。

JUNKOちゃんは、「愛し過ぎると人は狂っていくのだな·········。」と愛の深淵を教えてくれた、ある意味人生最初で最後の恋人だった。

他人をもうあれほど愛する事は、ないだろうと思う。

「愛して、そして失ったとしても、何も愛さない人生より、素晴らしいことなのだ。」と誰かの名言があったが、激しく同意したい。

話しがそれてしまっが、とにかく酒への依存を期待していたのだ。

心配ではなく期待なのは、俺のもつ破滅願望のせいだと思う。

昔酒を飲んでいた頃は、「RYU君は酔ってもスキがない。」と言われ非情に傷ついた思い出があるくらい、覚めた酒だった。

でも今は違う。

今の俺は艱難辛苦(かんなんしんく)の人生と、対峙している真っ最中だ。

逃げ込む「場所」があれば、これ幸いと逃げ込むと思ったのだ。

でも結果から言えば、酒に依存する程の力はなかった。

飲む時も、酒のカロリーを計算して、ダイエットした身体がリバウンドしないように、自己管理している俺がいるだけだ。

こんな先の見えない不安な人生を生きながら、本当は自己管理もへったくれもないのだが、そんな人生の底辺でも俺は自己管理してしまうのだ。

我ながらバカバカしい性格だと思う。

でも人生も本来バカバカしいものだ。

希望の列にちゃんと並んだ正直者は、いつも割り込まれ、いつまで経っても希望にめぐりあう事はない。

バカバカしい人生には、バカバカしい生き方でちょうどいいのかもしれないと、不安で仕方ない心でふと思った。

P.S.宇多田ヒカルちゃんの、Show Me Love (Not A Dream) は名曲だと思います。

                                       RYU