コルドンブルーの夜 | RYUの生き方、逝き方

コルドンブルーの夜

キャンドルが彼の目の前でけだるそうに踊っていた。

コルドンブルーの注がれたロックグラスに、

キャンドルライトが反射して今にも飛び散ってしまいそうだった。

彼は7杯目の酒を注文した。

横のテーブルからは女の笑い声が聞こえていた。

7杯目の酒が身体中にずしんとくるほどまわっていた。

カウンター越しの壁が鏡になっていて、

彼の顔をいびつに写していた。

無精ひげをはやし、髪の毛は無造作にのびていた。

自分でも醜いと思った。

ピアニストが月光の第一楽章を弾いている。

急に彼は泣きたくなった。

「いつもどうしてこうなんだ、世の中ってヤツはーーーー」

何かに怒っていた。

彼はそれが自分への怒りである事を知らなかった。

「駄目になってしまった。」

誰にともなく呟いた。

「けじめをつけなければ、、、、、、、」

最後のタバコをもみ消して彼が席を立った。

彼が頭の中で一瞬フラッシュがたかれたように思った。

RYU