カオリ | RYUの生き方、逝き方

カオリ

めずらしく阪急電車に一人乗っていた。

人混みが苦手なので最前部に乗った。

電車は最高速で走り景色が後ろへ後ろへ流れていくのが快感だった。

漠然と「これが生きるということなのだ。」と思った。

西宮北口で乗り換えの為、下車した。

今津線のホームに学校行事でもあったのか、制服を着た香織が数人の友人と一緒にいた。

俺はわざと視線をそらしていた。

宝塚行きの電車が来た時、俺は最後に乗ろうと思った。

しかし電車は満員で、乗る気が失せてホームに残った。

香織も一人残っていた。

何を話したかは覚えていないが、香織の微かな香水の匂いだけは覚えている。

夏だった。

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