先週くらいからだろうか、全国的に鳥類が大量死するニュースが相次いで報道されている。


ある都道府県ではハト、別の都道府県ではスズメ、また別の場所ではカラスなど、同一地域で同一の固体が大量死しているという事実。


不気味なことではないか。


例えば気散性の有害物質に侵されたなら、被害は一固体だけに留まらないだろう。

エサに毒物を混入したとするなら、犯人を見つけ出すのはそう難しくないかもしれない。


しかし、だ。


もしも水だったらどうだろう。


カラスにしろハトにしろスズメにしろ、蛇口をひねって水を飲むような生物ではない。

大きな池でこれらの鳥たちが水を飲んでいる光景もあまり見かけることはないし、そういう場所に有害物質が含まれていれば鳥より魚の方が先に大量死するだろう。

田舎者のわたしが思うに、小型の野生鳥類はおおむね、溜まり水などを飲んでいるのではないかと思う。


もしもそこに有害物質が潜んでいるとするなら。


人為的に悪意を持って混入されたとしても怖い話しだが、もっと怖いのは有害物質の自然混入があるかもしれないと考える瞬間だ。


降る雨に含まれた希薄な成分が、好天によって濃縮されたのかもしれない。

不法投棄された産業廃棄物の成分が土壌に分散して、溜まり水に溶け出しているのかもしれない。


全国同時期に発見されているのだから自然というより人為的事件だろうと高を括る向きもあるだろうが、どこかで問題にしたから、うちも ・ うちでもと声を上げ始めるということも大いに考えられる。

こんな現象はひょっとしたら、ずっと以前から起きていることだったのかもしれないのだ。


想像は膨らむが、小さき者たちが真っ先に異常を訴えているのである。

何が原因であるにせよ、ひいてはわたしたちに繋がる事象であることは間違いないだろう。

そして人間に影響が顕れるとき、やはり真っ先に異常を訴える可能性があるのは、目線が低く身体の小さい子供たちだと考えるべきだ。



楽しい泥遊びや水遊び。

散歩中のどんぐり拾い。


そんなことすら危なくてさせられない国に、この日本はなってきてはいないだろうか。





一小市民の懸念であればと願わずにはいられないのだった。