どういうわけか、わたしの周りは独身率が高い。
お年頃前からの関係でも同様に多いので、< 類は友を呼ぶ > というわけではなさそうだ。
わたしを除けば誰も気立て良し・器量良しだったりするのだが、仕事が楽しかったり自分づくりを楽しんでいる間に、気がつけば世間に < 負け犬 > などという呼称が根付いていた・・・という雰囲気である。
「 ねえ、老後はどうするの? 」
友人たちとの忘年会のとき、Dちゃんが皆にそんなことを問いかけた。
「 年金はわたしたちの時にはもう貰えないみたいだし、かといって年をとってから働けるような仕事って何があるのかなあ 」
「 ホテルマンとしての経験をいかして仲居さんはどう? 鄙びた温泉地あたりでさ 」
「 でもわたし、着物ひとりで着られないよ 」
「 そんなの練習すれば着られるようになるよ。でも年寄りになってから応募しても雇ってはくれないよねえ 」
「 ある程度の年齢のときに、先を見越してそこに勤めてないとね 」
「 Dちゃん、図書館の司書になるんじゃなかったの 」
「 だめだめ。民間の資格とったところで求人なんかありゃしないし、あっても最長2年とかばっかりだよ 」
「 へえー ( 一同 ) 」
確かに、自分を楽しみながらぼちぼち進めた慎ましやかな蓄えだけでは、老後の生活を賄うことは無理だろう。
冷静に話しをしてはいるが、わたしだって心中穏やかではない話題である。
「 でね、わたし、数ヶ月前から定期的にお見合いしてるんだー 」
「 お見合い!? 」
「 行き詰ったから結婚に逃げるなんて卑怯だって思ってたけどさー、結局養ってもらうのがいちばん楽なんだよねえ 」
「 はー・・・意外と行動的なんだね 」
「 で? いい人いたの? 」
「 それがねえ・・・これって人がいないのよねえ・・・ 」
「 お見合いにトキメキを求めちゃマズいんじゃないの(笑) 」
「 出会いの手段だと思ってればいいけどさ、結婚相手を探してるんでしょ 」
「 そんなこと言ったって、一生暮らすんなら、やっぱり好みのタイプじゃなきゃイヤだよー 」
「 ・・・・・ ( 一同ダメだこりゃ ) 」
なんだかんだ言って、老後のことも結婚のことも、まだ身近な問題として認識していないのだなあと再確認した、7人の負け犬たちなのでありました (--)