田舎に <岡歯科> という歯医者さんがあった。


<おかしか>


九州弁で言うところの 「変だわ」 である。


声にしてみれば、そんな意味にとられることは明らかなのに、どうして <歯科 岡> としなかったのか。

「岡歯科ってばい。おかしかねえ」 そんな患者のウケを狙ったのだろうか。


それはあながち間違いではないかもしれない。

実際、初めての町をクルマで走ったりすると、目につくのは面白いネーミングの店であったりすることが多い。

こちら長崎は北松地区のとある町を走ったときにみつけたスナック <どん底> の看板はかなり衝撃的だった。

関東のとあるベッドタウンを歩いていたときにみつけた産婦人科 <おどろき産婦人科> も忘れられない。

また長崎の南高地区には <ねぎ歯科> という歯医者さんがあり、看板のキャラクターは可愛い玉ねぎだ。


ところで、田舎にあった歯医者と同じ名前の病院が、佐世保市の町中にも存在する。

こちらは平仮名で <おか歯科> 。

面白いのは、この歯医者さんの道向かいにも歯医者が看板を上げている点で、こちらの名前は <歯科たなか> 。


<おかしか> <しかたなか>


「おかしかばってん、しかたなかー」 (変だけど、仕方ないわねえ) 

・・・と言われることに引っ掛けているのは、どうも間違いなさそうである。