じつはわたしの苗字は、いわゆる「珍名さん」である。

日本中、いや、世界中を探してみても、血縁以外は存在しない。

苗字研究家に言わせると 「絶滅危惧種」 なんだそうだ。

余計なお世話である。


そんな、初対面の誰にも、一人もらさず 「めずらしいお名前ねえ」 と言わしめることのできるわたしでも、はじめて出会う苗字の人は、もちろん多く存在する。

今日お逢いした方も、そうである。


大群。


「おおむれ」 さんと読むそうだ。


しかし、この漢字を見て、「おおむれ」 と読む人があるだろうか。

いや、胸の奥では 「苗字なんだもの。おおむれさんとか読むに決まってるわ」 と思っていてでさえ、きっと口にするのは 「たいぐん・・・」 であろう。

違うと判っているのに、そう 「呼んで」 みたくなる。


いいなあ。

同じ珍名でも、こんなんだと、一生ネタに困らなさそうだ。


ちなみに長崎県には、「魚屋」 という苗字も存在する。