霧ヶ峰〜♪

皆さんもCMでご存知だろう、私はこのCMが日本百名山の霧ヶ峰だということを知ったのは2〜3年前のことである。長野県にあることは知っていたし、車山のスキー場にも滑りに行っていたのに、

「何故、気付かなかった。もったいない。」

と、思ってしまったので、急遽2週連続の登山(ウォーキング)に行ってきたのである。



気付かなかった理由としては、出身が塩尻峠の向こう側であり諏訪に来たのが高校生だったということ。高校を卒業したら東京に行っていたということ。挙げ出したらきりがないのでこの辺で割愛させて貰う。


ということで、2週連続で山に来たのだが本日は、高校の後輩を誘い山に来たのである。

部活を共に行っていて、ついこの前まで現役だった彼なのだが体を動かすことが嫌いだと言っているのである。

「そんなことあるか!」

そう、感じ誘った次第だ。

今回も行けるところまで車で来てのゆるゆる登山だ。



車山肩バス停の駐車場に停めて11時半から出発した。本日は青空の広がる快晴、気持ちの良い天候だ!そんなことはない、強風で大変に寒かった。やはり、10月は寒いなぁと思いながらのスタートである。


部活をやっていた一行でもあるので車山周回コースは物足りないと思い、小高い丘のような蝶々深山まで足を伸ばす。整備された木道と登山道でなんなく登る、霧ヶ峰は初心者にもおすすめの山であるため人も多い、登山者たちは遭難したときに分かりやすいよう色取り取りの服を着ていることが多いので、青空と紅葉し始めた笹と混じりハロウィンの仮装行列のようでもあった。




そんなこんなで蝶々深山のピークに立ち写真を撮り、少し休んで車山へ向かう。スキー場のコースを登るということで少々急な斜面になっていて、私は登山靴を履いていたので問題は無かったが、彼は滑りながら、息を荒くし苦痛に顔を歪めている。

「死にそうです。」

「この前まで現役だったのになんで弱ってるんだよ。」

「コロナになって体力回復しないんです。」

「大事な大会でコロナになったな、そういえば。笑」

こんな問答をしていると、気象レーダーの丸い建物が見えてくる。

息を吹き返すとそのままダッシュで登頂した。



山頂は広く、八ヶ岳や蓼科山など多くの山が見えた。

夏にはニッコウキスゲが美しく咲くという看板を見たのだが、秋の霧ヶ峰もゆったりとした時間が流れる穏やかな時間を過ごせた。


その後は緩やかな道を帰り、中華料理が食べたいなどと談笑していたら車山肩バス停に着いていた。

せっかくなので売店にて百名山バッジを購入していると

「おっ、法政大学の学生ですか?」

声を掛けられた。この日はオレンジ色のHのロゴが入った服を着ていたのだ。

「この前、卒業したんですよ。」

そう、私の大先輩であった。

こういう運命の出会いもあるのが旅先での思い出だろう。



帰りに中華料理を食べたのかどうかは分からない。きっと食べたのだろう。食べなかったとしても、彼がレバニラが好きだと言っていたのを覚えている。


百名山、2座目は霧ヶ峰。

車山一帯の湿原は天然記念物にもなっている。キリガミネの名の付く植物があるみたいだが、それはまた見に来たい。エアコンの名前通りの涼しい風が吹き荒れ、澄んだ青空と、緑から変わっていく笹が美しかった。緩く、楽しく登って行きたい百名山。


標高1925m、距離5.3km、1時間47分の山行だった。