いや~、ここ松山も暑い日が連続してくるようになりました。梅雨の季節もそろそろ後半に入ってきたというところでしょうか。

 昨日のことですが、今、話題になっている「新紙幣」の一万円札を初めて見る機会に恵まれました。7月3日から発行されていますので、もう多くの方がご覧になっていることでしょう。自分も初めて手に取ってまざまざと拝見しました。

 第一印象は、「高級感があるな~」ということです。テレビでも紹介されていますが、偽造防止のための「ホログラム」がキラキラと輝いています。よく見ると、渋沢栄一の顔が動きます。これは凄い技術ですね!ちょっと感動します。

 「すかし」は、今回の紙幣にもあります。高詳細な模様が描かれています。ここにも偽造防止の技術が投入されているんですね。実は、昔、財布に福沢諭吉さんが10枚くらい入っている時がありました。暇だったので、その10枚をパラパラ見ていた時があったんですが、その中に1枚だけ福沢諭吉さんの目が半開きのものがあったんですね。明らかに他の諭吉さんとは表情が違い、とても眠そうな目をしていたんです。「おかしな紙幣だな~」なんて思いながら、結局、すぐ使ってしまいました。残しておいたらよかったと、今更ながら思います。

 テレビでコメンテイターが言ってましたが、「キャッシュレスに移行している現代の状況を考えると、これが最後の紙幣になる可能性が高い。」ということです。つまり、この紙幣は日本が作る最後の紙幣かもしれないということになります。

 そう考えると、「う~ん。」と思うこともあるんですね。最後の一万円札の人物が、「渋沢栄一」でよいのかということなんです。これまで最も紙幣の人物に選ばれた人は誰かご存じですか?知っている方もいると思うんですが、「聖徳太子」なんです。聖徳太子と言えば、「17条の憲法」という日本で最初の憲法を作り、日本の政治の基礎を築いた人で有名ですね。「冠位十二階」の制度もつくり、役人の位を個人の能力に応じて与えるという画期的なシステムを構築した人でもあります。全く余談ですが、この冠位のうち、最も高い位は「紫色」でした。なぜ、紫だったんでしょう。当時は、紫という色を染め出す染料が超貴重で、この色を作り出すのが最も難しかったからのようです。紫は、超高級な色だったんですね。ああ、全く余談でした…。

 「聖徳太子」は、「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや。」という書を中国(隋)の皇帝に送りました。日本が独立国家として、中国に隷属するのではなく、大国中国と対等に交流することを願ってのものであったと解釈されています。日本の大きな転換点に関わった重要人物だったんですね。

 では、「渋沢栄一」は、どんな人だったんでしょう。彼は、近代日本経済の父と呼ばれ、約480の企業設立・運営、約600社の社会事業に関わりました。最初に銀行を作った人でもあります。その中で、自分にとって印象深いのが、「富岡製糸場」との関わりです。「富岡製糸場」は、当時の日本経済を支えた養蚕業の中心となった設備でした。現在は、世界遺産に登録されており、多くの人々が訪れています。自分も、先日、息子の住む群馬県に行きましたので、息子を連れて行ってきました。

 ここで重要なのが、この工場の生産を支えた「ブリュナエンジン」。フランス製でフランス人の技術者ポール・ブリュナが開発したエンジンです。渋沢栄一は、このポール・ブリュナと共に富岡製糸場の開発に携わり、日本の経済の大きな発展に寄与したのです。

 富岡製糸場での写真です。左から「陸奥宗光」(これは有名ですね)、渋沢栄一、ポール・ブリュナ、通訳です。

 まあ、こうやって見てくると、確かに渋沢栄一という人物も日本の歴史に大きな足跡を残したと言えるでしょう。

 しかし、最後の紙幣と考えると、何かしっくりこないなあというのが正直な感想です。

 じゃあ、あなたは誰がいいんですか?と尋ねられたら、悩むんですが、やはり真っ先に浮かぶのが、「坂本龍馬」でしょうか。彼は、江戸から明治に移り変わる激動の時代に生まれ、常に最先端の知識と理解を持って、日本の進むべき道を支え続けた日本の真のリーダー、もはやヒーローといっても過言ではない人物だと思います。今の日本があるのは、「坂本龍馬」のお陰であるという理由がたくさんあります。

 こういう人が今の日本には、残念ながら存在しないんですね。与党である自民党は壊滅的で、次の総理候補すら名前が挙がらない状態です。日本という大きな船の舵取りを、しっかりとした考えで正しく導いてくれる「時代のヒーロー」が生まれてくれることを期待しています!